2024年3月に登場した、11代目となる新型ホンダ アコード。一時期はクラウンのようにSUV化するのではないか? という意見も見られたが、新型もセダンで勝負を仕掛けてきた! レクサス ESを意識した作りになっているが、その実力はいかに?
※本稿は2024年3月のものです
文/ベストカー編集部、写真/平野 学、HONDA
初出:『ベストカー』2024年4月26日号
■11代目アコードは高級4ドアサルーンのど真ん中!
結論から言ってしまえば、新型アコード、メチャメチャいいクルマに仕上がっています。
いわゆるアッパーミドルクラスの4ドアサルーンとしてまったく不足のない後席居住性とトランク容量を確保しながら、スタイリッシュなラウンドルーフラインのクーペルックを作り出している。パッと見た時の佇まいも高級サルーンと呼ぶにふさわしい。
乗って走ってどうかというと、これまた不満なし。足がしなやかに動いて路面の微小な凹凸をきれいにいなす。だからと言ってソフトで締まりがないというのではなく、箱根の山道を走っても気持ちいい。操舵に対しスッとクルマが反応して全長5m級の大きさを感じさせない身のこなし。
サイズ的にも立ち位置的にもレクサス ES300hがガチンコライバルなんだけど、スッキリした乗り味という意味ではアコードのほうがESを上回る印象だ。これは184ps/34.2kgmのモーターで走るe:HEVの特性も大きく寄与しているのだろう。
■新型アコードがセダン復興の狼煙をあげる!
タウンスピードではモーター駆動で走るe:HEVはアクセルに対するレスポンスに優れ、パンッと34.2kgmの最大トルクが立ち上がるのだが、このトルクカーブの制御が絶妙なので、まるで3.2L級のNAエンジンに乗っているような感覚を味わえるのだ。速度の上昇とリンクしてエンジン回転が盛り上がるのも心地いい。
アコードの価格は約545万円。BMW 318iスタンダードがプラス30万円で買える。3シリーズの操縦性は大きな魅力だが、後席の広さや装備の充実度ではアコードが勝る。車体サイズ的にはベンツEクラスやBMW5シリーズ級なんだけど、さすがに350万円も高いと比較の俎上に乗らないだろう。
新型アコードはADASも進化して、高速道路での車線変更支援機能などより高度な運転支援を盛り込んだホンダセンシング360を搭載する。セダンマーケットが縮小する国内市場に一石を投じるかも?
■アコード&オデッセイはホンダ国内市場500万円級の高級車
2021年頃からホンダは国内販売車種ラインナップの整理、再構築に取り組んでいる。高級セダンとして君臨したレジェンドを廃止し、NSXも生産を終了。ミッドサイズではシビックセダンやインサイトを廃止した。
いったんはオデッセイも国内生産の終了に合わせて販売も終了していたが、2023年末より中国生産で国内販売を再開した。
現在ホンダ国内ラインナップで500万円級の高級車はアコードとオデッセイの2車が担っている。
●新型ホンダ アコードのポイント
・先代型に比べて全長を75mm延長したことでより伸びやかなフォルムとなった
・e:HEVは2L直噴エンジンを採用。2つのモーターは並行軸化されドライバビリティ向上
・回生制動力を調整する減速セレクターは6段階となり、より使い勝手向上
・ホンダセンシング360搭載
●新型ホンダ アコード 主要諸元
・全長:4975mm
・全幅:1860mm
・全高:1450mm
・ホイールベース:2830mm
・最低地上高:135mm
・最小回転半径:5.7m
・車両重量:1580kg
・エンジン:直列4気筒DOHCハイブリッド
・総排気量:1993cc
・最高出力:147ps/6100rpm
・最大トルク:18.6kgm/4500rpm
・モーター出力:184ps/34.2kgm
・WLTCモード燃費:23.8km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:235/45R19
・車両価格:544万9400円
コメント
コメントの使い方HONDAはずっと平成デザインって感じね