【やるのとやらないので寿命が大違い】灼熱の夏を乗り切ったクルマの塗装ケア

【やるのとやらないので寿命が大違い】灼熱の夏を乗り切ったクルマの塗装ケア

 日本の気候が亜熱帯化し、夏場は灼熱具合たるや生命の危険すら感じるほど。すでに秋風が吹くようになり、灼熱の夏のことも忘れかけているかもしれないが、クルマの塗装のケアは大丈夫?

 クルマをガレージ保管できる人はごくひと握りで、大半は屋根なし駐車場でクルマは直射日光をバリバリに受けていたはず。クルマの塗装の耐久性はすばらしいものの、灼熱の夏を経て塗装は目に見えないダメージを受けている。

 灼熱の夏を乗り切ったクルマの塗装ケアについて諸星陽一氏がレクチャーする。

文:諸星陽一/写真:ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部

濃色系は手厚いケアが必要


【画像ギャラリー】塗装ケア7つのポイント

 今年の夏も暑かったですね。ここまで暑い夏を迎えたことはなかなかないことで、クルマにとってもけっこう辛い夏、酷暑だったことは間違いないでしょう。

 それにしてもクルマというのは実に素晴らしい耐久性を持っていると思いませんか? 炎天下に置きっぱなしにしても、塗装がボコボコになるようなことはありません。

クルマの塗装技術は進化しているが、黒をはじめとする濃色系のボディカラーは淡色系に比べて温度が上がりやすく、そのぶんダメージも大きくなる

 さらにボンネットなどは、その下でエンジンが作動しているわけです。上からは直射日光、下からはエンジンの熱、という過酷な条件のもと、塗装を維持しているのはなかなかのことなのです。

 とはいえ、まったくダメージがないわけではありません。夏を乗り切ったクルマの塗装はそれなりにダメージを受けています。そのダメージをそのままにするのか? それとも手当しておくのか? それによって塗装のもちはグッと変わってきます。

 特に黒などの濃色系のクルマは太陽光の影響を受けやすいですし、赤は退色しやすいという性質があります。そうした色のクルマはよりていねいなケアが必要です。

炎天下にしばらく置いたクルマのボンネットの表面温度は80℃を超える。目玉焼きができる、というのも冗談ではない。触ったらやけどするレベル

イオンデポジットとは何者?

 クルマの塗装面にはさまざまなトラブルが発生しますが、なかでも夏の時期にはイオンデポジットというものが発生しやすくなります。

 イオンデポジットは見た目は白くうっすらとした水垢のようなものです。雨はもちろん、水道水にもさまざまな不純物が含まれています。

白く残っているのがイオンデポジット。洗車してそのまま放置していてもできる。イオンデポジットを作らないのが最も重要なことになる

 例えば雨ですが、空から落ちている間には大気の中にあるさまざまなPM(粒子状物質)を吸収しています。水道水は消毒のために塩素(カルキ)が加えられていますし、カルシウムやマグネシウムなども含まれています。

 こうした不純物を含む水がクルマに付着し、そのまま蒸発します。蒸発するのは水だけで、不純物は塗装面に残ります。これがイオンデポジットと言われるものです。

 夏は気温が高いこと、夕立などにより急に雨が降ることでクルマが濡れて、その後に乾くということが繰り返されがちです。そうした繰り返しが続くことでイオンデポジットはどんどん数を増やし、重なり重症化していきます。

 できれば乾く前にキレイな水で流し、キレイに水を拭き取ることができればイオンデポジットの発生を最小限に抑えることができるのですが、そのプロセスが難しいのもまた夏なのです。

次ページは : イオンデポジットを放置すると深刻化

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