ポルシェ、フェラーリともモータースポーツイメージが強い。特にフェラーリの初期段階は、レースをする資金を稼ぐためにレーシングマシンをディチューンしてロードカーとして販売していたといわれるほど。ここでは両メーカーのモータースポーツ活動を実績対決!(本稿は「ベストカー」2013年1月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:西川 淳
■ル・マン
今でこそアウディが“耐久の王者”と呼ばれているが、元祖はポルシェで、いまだにル・マンの総合優勝の回数では16回で最多(アウディが11回)。
ではフェラーリと比べるとどうか? 実はこの両雄、同じ時期にわずかながらル・マンに参戦しているがクラスがリンクしていない。フェラーリの全盛期、ポルシェは小排気量クラスに参戦していて、総合優勝を目指すようになったのはフェラーリがワークス撤退してから。
ル・マンをはじめとする耐久レースでポルシェとフェラーリのワークス同士が一騎打ち、という場面は残念ながらない。
フェラーリは1968年以降、トップカテゴリーにワークス参戦していないし、今後も期待薄。
それに対しポルシェは今年からGTクラスに復帰し、来年からはトップカテゴリーのLMP1クラスでのワークス参戦を表明している。
耐久レースでのポルシェの強さを知っているオールドファンにはたまらない。
■F1
F1に関していえば、フェラーリにかなうメーカーは存在しない。フェラーリがF1の象徴であることは世界共通の見解。
参戦数、優勝回数、ポール&ファステスト獲得回数などなど、いいことの最多記録についてはトップをひた走っている。
フェラーリはエンジン、シャシーを自製して参戦し続けている唯一のメーカーなのだが、1戦のみジャガーエンジンで参戦しているのだ(←ウンチク用)。
いっぽうのポルシェは、マクラーレンとコンビを組んでいた頃のTAGポルシェ時代が有名でインパクトが大きいが、アロウズとコンビを組んでのチョンボ(6戦で撤退)で帳消し。
そもそもオールポルシェでは意外に思えるくらい成績はショボくわずか1勝しか挙げていない。
毎年のようにポルシェのF1復帰の噂が流れ出てくるが、F1での実績ではなく、前述の耐久を含めた総合的なポテンシャルが期待されてのことだ。
■ラリー
ポルシェが911でラリーを積極的に戦っていたのは有名だが、フェラーリもツール・ド・コルスなどターマックイベントにグループ4の308を試験的に投入していたこともある。ただしワークス参戦ではない。
■悲運のグループB
ポルシェもフェラーリもラリーに参戦していた過去があるのは前述のとおりだが、両メーカーともグループBのホモロゲを取得するためにポルシェは959、フェラーリは288GTOをそれぞれデビューさせた。
1985年いっぱいでグループBが終焉を迎えたため両モデルは戦いの場を失った。グループBを付加価値としようとしたフェラーリに対し本気だったポルシェは戦いの場を失った。本当に悲運だったのは959だった。
その後たどった道も対照的で、288GTOはF40へと進化。いっぽう959はパリ・ダカに参戦するなど、スーパースポーツであると同時にモータースポーツにも投入された。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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