モバイルバッテリーでバイクのバッテリーを充電! 野外駐車ライダーの強い味方「デイトナ ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」を使ってみた!

モバイルバッテリーでバイクのバッテリーを充電! 野外駐車ライダーの強い味方「デイトナ ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」を使ってみた!

 セルフスターターしか装備されていない現代のバイクにとって、バッテリーの電圧不足は致命的であり、常に正常値を保っておく必要がある。集合住宅などで電源が確保できないというライダーにとって救世主とも言えるのが、デイトナから発売されている「ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」だ。

 
文/後藤秀之 Webikeプラス
 

集合住宅に住むライダーにとっての救世主

 マンションやアパートなどの集合住宅に住むライダーにとって、バイクのバッテリー充電は少々面倒な作業と言える。バイクが置いてある駐輪場に使える電源があることはほぼなく、バッテリーを車体から取り外して部屋の中で充電しているというライダーも多いだろう。

 筆者もそんな集合住宅に住むライダーのひとりであり、以前乗っていたハーレーは冬場は2週間放置するとエンジンがかかりにくくなっていた。本当はトリクル充電を行ないたいところだが、外で放置するわけにもいかないし、そもそも電源が取れないのでは意味がない。

 

20241020_DB

筆者宅もマンションであり、バイクは野外駐車。バッテリー上がりなどの際は、バッテリーを取り外して室内で充電を行なっている。

 

 防犯システムが組み込まれるなどして、イグニッションオフの状態でもバッテリーを消費するバイクも増えているし、端子の位置の関係などでバッテリーが取り外しにくい車種も結構多い。また、最近の電子装備満載のバイクにとってバッテリーは生命線とも言え、素人がバッテリーを脱着することでバイクの不調を招く可能性も無いとは言えない。

 そんな集合住宅に住むライダーの悩みを解消してくれるのが、今回紹介するデイトナの「ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」だ。

 この「ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」は、本体のサイズが幅180×長さ110mmと小さめのタブレット端末程度の大きさ。厚みは59mmあるが、重量は約500gと持ち運びに困ることはない。また、ベント型、VRLA、シールド、ジェルの各タイプのバッテリーに対応しているので、これ1台でほとんどのバイクに対応できる。

 

20241020_DB

今回テストする「ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」の本体。コンパクトで軽量なので、持ち運びは全く問題ない。

 

 この充電器の最も評価すべきポイントは、家庭用の100V電源以外にモバイルバッテリーからの給電によって充電を行なうことができるということだ。モバイルバッテリーが使えるということは、電源の取れない野外でもバイクにバッテリーを搭載したまま充電を行うことができるということだ。

 使い方は一般的なバッテリー充電器と同様で、接続用に車両接続コードと、クランプ接続コードが付属している。クランプをバッテリーの端子に接続して充電することができるのはもちろん、車両接続コードをバッテリーに取り付けておけば、カプラーを接続するだけでバッテリーの充電を行なうことができるようになる。

 

20241020_DB

固定式の車両接続コードと、クランプ接続コードの2タイプの接続コードが付属しており、カプラーで簡単に脱着することができる。

 

 
 
 

バッテリーのコンディションを確認しながら最適な状態へ

 充電はバッテリーの状態を最適化するために、5ステップで行なうようにプログラムされている。ステップ1ではバッテリーの状態が劣化している場合にサルフェーション除去を行ない、ステップ2では電圧を14.8Vまで一定の電流で75%まで充電を行なう。75%まで充電されるとステップ3に移行して、バッテリーの負荷を軽減するためにゆっくり満充電まで充電を行なう。満充電されると充電を30分ストップさせてバッテリーを落ち着かせ、その後に良否判定を行なうステップ4となる。そして、さらにステップ5では、充電が完了したバッテリーを監視し、自己放電により電圧が落ちた場合に自動で充電を行なうという設定になっている。充電時間に関しては、ステップ1から2までは最大36時間、ステップ3から5までが最大4.5時間となっている。また、リセットボタンを押すことでステップ1から再スタートさせることができ、充電を伴わない「テスターモード」も搭載されている。

 

20241020_DB

充電のステップをイメージ化するとこんな感じになる。バッテリーが最適な状態になるようにプログラムが組まれている。

 

モバイルバッテリーでの充電は本当に便利だ!

 さて、実際に使ってみる。まず、一般的なバッテリーチャージャーと同様にDC電源に繋いで、単体のバッテリーを充電してみることにした。これは当然だが、まったく問題なく充電をすることが可能で、バッテリーチャージャーのディスプレイにはバッテリーの電圧と充電電圧が交互に表示されるようになっている。この「ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」は電源に繋がずにバッテリーの端子と接続するとテスターモードになり、バッテリーの状態をディスプレイに表示することになっている。だが放置していた古いバッテリーだったため、端子と接続してもテスターモードが作動せず、液晶画面が光るだけであった。説明書によると、9V以下ではディスプレイが表示されず、5V以下ではLED照明も点灯しないとのことだ。

 

20241020_DB

DC電源に接続して充電してみる。一般的な充電器と同様に使用でき、バッテリーの電圧と充電電圧が交互にディスプレイに表示される。

 

 通常の充電器としてきちんと使用できることが確認できたので、いよいよモバイルバッテリーでの充電をテストしていく。このバッテリーチャージャーを選ぶ方の多くは、モバイルバッテリーでの充電が可能というのがいちばんの理由になるはずだ。マンションである我が家のバイクは野外保管するしか無く、当然自由に使用できる電源はない。

 まずバッテリーの端子にアクセスし、電源を繋がない状態でバッテリーの端子に充電器の端子を接続してみる。付属のクランプ接続コードを使用してみたのだが、クリップの口があまり大きく開かないのでフォルツァの場合はバッテリーの端子を固定しているボルトの頭にクランプすることしかできなかった。このまま放置するのは危険なので、本来は車両接続コードを使用するべきだろう。ただ、今回は製品チェックということで、とりあえずクランプ接続コードのままチェックを進めることにした。バッテリーの端子にコードを繋ぐと、ディスプレイにはバッテリーの電圧が表示され。モードは「MEASUREMENT」と表示され、テスターモードが正常に作動していることが確認できた。

 

20241020_DB

まず、電源を繋がずにバッテリーと接続し、テスターモードを試してみる。

 

 

20241020_DB

クランプ接続コードを使ってバッテリーの端子と接続してみる、フォルツァの場合、ボルトの頭を掴んでの接続となった。

 

 

20241020_DB

バッテリーの電圧が表示された状態。9V以下ではディスプレイが表示さず、5V以下だとLED照明も点灯しない。

 

 充電のためにモバイルバッテリーを繋いでいく。この「ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」は本体右側にあるカバーを開けると、モバイルバッテリーを接続するためのUSB-Cタイプのポートにアクセスできる。いよいよモバイルバッテリーを繋ぐのだが、使用するモバイルバッテリーは出力が「20V 1.5A」という、モバイルバッテリーとしてはかなりハイパワーな物が必要になる。USB-Cポートとモバイルバッテリーをケーブルで接続すると、モードが自動的に切り替わって充電が開始された。充電を開始するとDC電源を使った時と同様にバッテリーの電圧と充電電圧が交互にディスプレイに表示される。

20241020_DB

充電器本体の右側には、「USB」と記されたカバーがある。このカバーを開くと、USB-Cポートにアクセスできる。

 

20241020_DB

USBポートにケーブルを差し込み、モバイルバッテリーと接続する。使用するモバイルバッテリーのスペックを確認すること。

 

 

20241020_DB

モバイルバッテリーと接続すると、自動的に充電モードへと移行する。また、終了した後に自己放電により電圧が落ちた場合、自動で充電を行なう。

 

 ステップ2での充電電圧はしっかり14V以上の数値が表示されており、しばらく充電していると75%を超えたためステップ3へと移行して12V台に充電電圧が下がった。試しに手持ちの「5V 2.1A(MAX)」というスペックのモバイルバッテリーを接続してみたのだが、テスターモードのまま充電モードには移行しなかった。

 

20241020_DB

75%までは14V以上で充電を行なうようになっている。75%を超えると、12V台の電圧でゆっくりと充電するセーフティチャージのステップ3へと移行する。

 

 

20241020_DB

ステップ3で100%まで充電が終了すると、充電を30分ストップさせた上で良否判定を行なうステップ4へ移行する。

 

 

20241020_DB

試しにスペックを満たさないモバイルバッテリー(5V 2.1A)を接続してみたが、テスターモードのまま充電は開始されなかった。

 

 今回使用したフォルツァであれば、車両接続コードを端子に接続して、充電器本体とモバイルバッテリーをラゲッジスペースに入れておけば問題なく野外でのコードレスバッテリーチャージが可能である。ラゲッジスペースが無い車両の場合は盗難などの対策をする必要があるが、今までいちいちバッテリーを外して室内で充電を行なっていた集合住宅住みのライダーにとっては非常にありがたいアイテムである。

ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル商品仕様

・本体サイズ:幅180×長さ110×高さ59mm
・重量:500g
・対応バッテリー容量:2.3Ah〜28Ah
・対応バッテリー種類:ベント型バッテリー・VRLAバッテリー・シールドバッテリー・ジェルバッテリー
・入力:AC100V 50/60Hz・USB PD 20V 1.5A
・出力:DC12V 1.25A

・価格:1万6280円(税込価格)

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/parts-gears/413902/

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

6代目はハイブリッド!?ウワサの新エンジンも搭載の次期型スープラが見えた!ベストカー11月26日号発売中!!

6代目はハイブリッド!?ウワサの新エンジンも搭載の次期型スープラが見えた!ベストカー11月26日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす!季節の変わり目にノックアウトされ、高熱でうなされながら誕…