2025年10月末をもって生産終了がアナウンスされたカローラアクシオとカローラフィールダー。これによりトヨタラインナップから5ナンバーセダンと5ナンバーワゴンが姿を消すことに。ワゴンはカローラツーリングを残すのみとなっている。フィールダーが担ってきた5ナンバーサイズのステーションワゴンは、日常生活の痒い所に手が届き、非常に重宝する存在だった。フィールダーの消滅が及ぼす影響を考えながら、今後の5ナンバーサイズワゴンの展開について予想していきたい。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】2025年に生産終了! 歴代カローラフィールダー・アクシオ姉妹をおさらい(16枚)画像ギャラリー幅広く需要のあったフィールダー
2024年のカローラフィールダーが記録した販売台数は1万1450台。これアクシオ(6370台)の倍近い数字であり、同門のカローラスポーツ(7980台)よりもいい数字だ。現行型は2012年の登場で、モデルとしてはかなり古いのだが、結構売れているクルマだったのである。
かつては取ってつけるほどあった5ナンバーサイズワゴンだが、最終的に残ったのがフィールダー。それも本年10月で生産を終了するとなると、結構大きな影響があると思う。
法人の営業車や社用車(移動車)としてのニーズはもちろん、ワゴン形状は荷物もたくさん積めて、配送や商品の売り込みにも最適なクルマだったはず。個人ニーズでは、駐車場の関係で全幅の広いクルマを購入できないユーザーや、アクア以上カローラツーリング未満という絶妙なサイズが、若年層から中高年まで幅広く支持されていた。
車両価格は180万円弱から230万円強という手軽さで、3代目プリウスと同様のリダクション機構付THS-Ⅱを採用しているから、ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は27.8km/Lと、よく走るクルマでもある。
いつまでも古参のユーザーを手放さない、カローラシリーズのお手本のようなクルマが、フィールダーなのだ。
やっぱり5ナンバーサイズワゴンは必要だよ!
人も荷物もたくさん乗せ(載せ)られて、5ナンバーサイズに収まる安いワゴンは、これからも必要だと思う。アクアやルーミーでは実現できない生活が、フィールダーによって生まれるからだ。コンパクトカーではない5ナンバーサイズワゴンは、昭和・平成から継承すべき日本の宝であろう。
ただ新規車種として復活させるのは、なかなかに厳しい。法規対応なども多くを求められる中で、型の古いモデルの延命措置も難しくなっている。
ならば商用バンから5ナンバーサイズワゴンを作り上げてみてはどうだろう。2013年10月までトヨタのワゴンとして君臨していたプロボックスワゴンの復活なら、新規開発よりもコストも時間もかからないはず。
現行のプロボックスは2014年にモデルチェンジを受け、現在も商用バンの第一人者として活躍を続けているモデルだ。かつてのようにシートを変え、ボディカラーを少し増やした乗用プロボックスなら、フィールダーの代わりになれるかもしれない。ハイブリッドも既に積んでいるし、ベースとなるプロボックスがトヨタの商用バンから消えることは無いから、派生のワゴンも消滅する可能性は低いはず。
プロボックスという名前が問題なら、商用バンはプロボックス、乗用ワゴンはサクシードとして売り出してみてはどうだろう。車種統合で消えてしまった姉妹車が復活すると、ファンは喜ぶに違いない。
とにもかくにも後釜が必要なフィールダー。このまま5ナンバーサイズワゴンが日本から絶滅するなんてことは無いですよねトヨタさん。5ナンバーセダンとワゴンは日本の自動車文化です。全力で日本へ向けた、5ナンバーワゴンの再登場を待っています。
コメント
コメントの使い方ライズがあるから別にいいでしょ(大爆笑)。