Gold Windの初代モデルとなる「GL1000 Gold Wing」が登場したのは1975年であり、今年(2025年)は50周年のアニバサーリーイヤーに当たる。この記念すべき年に発表された2025年モデルのゴールド ウイングは、Apple CarPlay および Android Autoとのワイヤレス互換性に加えて、スタイリングに重点を置いたアップデートを受けて登場した。
文/後藤秀之
Gold Windの50年
初代「GL1000 Gold Wing」は、史上最高のバイクを作ろうというシンプルだが大胆な目標を掲げて設計された。水平対向4気筒エンジンを搭載した「GL1000 Gold Wing」は、ツーリングバイクとして多くのユーザーに受け入れられ、その多くがアフターマーケットのラゲッジやフロントフェアリングを装備することとなった。そして、このカスタマイズは、それ以降のGold Wingシリーズの方向性に大きな影響を与えた。
1980年に登場した「GL1100Gold Wing」には、大型のフェアリングやサドルバッグとトップケース、ラジオといった装備を備えた「GL1100Gold Wing INTER STATE」がラインナップ。1982年には、さらにエアサスペンション用のエアコンプレッサーやリアシートのパッド、専用のツートーンカラーなどを備えた最高級バージョンとなる「GL1100 Gold Wing ASPENCADE」がラインナップされた。
1984年にはエンジンの排気量をさらに排気量を拡大した第3世代となるGL1200 Gold Wingシリーズが登場。このモデルからフェアリングやラゲッジを装着した状態での設計が行なわれ、「GL1200Gold Wing INTER STATE」と「GL1200 Gold Wing ASPENCADE」がメインモデルとなり、それらを持たないそのネイキッド版の「GL1200 Gold Wing」はわずか1年で生産中止となった。
1988年には水平対向6気筒エンジンを搭載した「GL1500 Gold Wing」へとフルモデルチェンジし、完全新設計となるシャーシによってツーリングバイクのハンドリングと快適性の限界を再定義した。また、燃料容量の増加やブレーキの改良、シームレスなフェアリングデザインなどを採用し、生産はアメリカのホンダのオハイオ工場で行なわれた。
2001年には排気量をさらに拡大し、GLシリーズ初となるアルミ製のツインスパーフレームを採用した「GL1800 Gold Wing」が登場。フューエルインジェクションやオプションのABSなど各部も進化を遂げ、2006年にはナビゲーションと世界初のバイクエアバッグを搭載、2009年には XM衛星ラジオも搭載された。
2018年モデルではフルモデルチェンジによりフル装備の「GL1800 Gold Wing Tour」と、トップケースなどを廃した「GL1800 Gold Wing」の2ライン展開となり、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)装備車などもラインナップされた。
2025年モデルとしては「50 周年記念 Gold Wing Tour エアバッグ DCT」、「50 周年記念 Gold Wing Tour DCT」、「50 周年記念 Gold Wing Tour」、「50 周年記念 Gold Wing DCT」、「50 周年記念 Gold Wing」、「Gold Wing Tour DCT」、「Gold Wing Tour」の7タイプが用意されている。
カラーリングはエターナル ゴールド、ボルドー レッド メタリック、マット ブラック メタリック、ライト シルバー メタリックが用意され、ライト シルバー メタリック以外にはシートの前とスマートキーにGold Wingの50周年を記念するエンブレムが取り付けられる。また、ライト シルバー メタリックを除く全てのGold Wingに、コーヒーテーブルブックと1:12スケールモデルという2つの無料記念品が付属。この1:12 スケールモデルは、片側が1975 年型Gold Wing、もう片側が2025年型Gold Wingとなった特別な物だ。
充実した装備で、ツアラーモデルの最先端を走る
2025年モデルではApple CarPlayとAndroid Autoが、すべてのGold Wingシリーズでワイヤレス使用できるようになり、従来のナビゲーションシステムは2025 年モデルでは廃止されている。また、バイクの電源を入れたときにメーターのオープニング セレモニーで表示される「Gold Wing」のロゴに「Since 1975」が追加された。
エンジンはボア×ストロークが73×73mmのスクエア設定となる排気量1833ccの水平対向6気筒で、6速マニュアルトランスミッションまたは7速オートマチックデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が組み合わされる。「ツアー」、「スポーツ」、「エコノミー」、「レイン」の4つのライディングモード持ち、ライディング条件に合わせてバイクの特性を調整することが可能だ。また、ホンダセレクタブルトルクコントロール(HSTC)も装備され、後輪のスリップが検出されるとスロットルバルブと燃料噴射を組み合わせて調整することでスリップが管理される。
車体はアルミ製のツインスパーフレームに、ダブルウィッシュボーンフロントサスペンションとプロリンクリアサスペンションシステムを組み合わせ、スムーズで安心できる乗り心地を実現。シャフトドライブ方式を採用し、タイやサイズはフロント130/70-18、リア200/55-16を採用する。ブレーキは電子制御ABSを備え、フロントはラジアルマウントの6ポットキャリパー+320mm径ローターのダブル、リアは3ポットキャリパー+316mm径ローターの組み合わせとなる。
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