【生産終了バイクまとめ】どうしたスズキ! 旗艦GSX-R1000Rに売れ筋のVストローム250までラストへ!?

GSX-R1000R終了に合わせ、モトGPと世界耐久からも撤退?

 GSX-R1000Rは、2017年のデビュー以来、メカ的に大幅なモデルチェンジはなく、日欧ともユーロ4(平成28年排ガス規制)のまま販売が続けられている。

 欧州では、2021年1月からユーロ5が全面適用された。日本の令和2年排ガス規制と内容はほぼ同じで、日本は遅れて2022年11月以降生産される新車に全面適用される。

 ユーロ5規制に適合していないGSX-R1000Rは本来、欧州で発売できないのだが、メーカーやモデルごとに販売台数実績に応じた「特例措置」が設けられる。そのため、欧州でもまだラインナップに残っているのだ。

 ユーロ5および令和2年規制への対応が待たれるところだが、情報筋によると「このままユーロ5に対応せず、現行型で終了する」という。1000ccクラスは各メーカーを代表するスポーツ系のフラッグシップだけに、威信に賭けて存続させる「聖域」のイメージが強かったが、ついにその一角が崩れることになりそうだ。

 この生産終了に合わせるように、スズキは7月13日、最高峰レースのモトGPと、鈴鹿8耐を含む世界耐久選手権(EWC)からのワークス参戦撤退を発表した。

 スズキの鈴木俊宏社長は、「経営資源の再配分に取り組まねばならない」ため、参戦終了を決断。「レース活動を通じて培ってきた技術力・人材を、サステナブルな社会の実現へ振り向け、新たな二輪事業の創生に挑戦していく」とコメントした。レース参戦のための資金を電気自動車(EV)開発などに振り分けるという話もある。

 この流れとGSX-R1000/Rが生産終了する流れは決して無関係ではないだろう。GSX-R1000Rは、モトGPマシンであるGSX-RRの技術をフィードバックした直系であり、同社レースモデルのイメージリーダー。さらに、市販車で争う世界耐久のベース車でもあるからだ。

 しかし将来的に復活する可能性はゼロではない。現にスズキのハヤブサは、前規制のユーロ4に対応せず、国内仕様は2017年型で終了。そのまま空白期間が続いたが、2021年型で現行のユーロ5に対応し、復活を遂げている。

  GSX-R1000Rもハヤブサと同様、一時の生産終了を経て、次期規制のユーロ6で復活するかもしれない。ユーロ6の内容や施行時期は未定で、早くとも2024年以降に導入される予定だ。

2017年に登場した現行GSX-R1000/R。国内仕様は197psを発生し、電子制御や足まわりが充実した「R」仕様のみ発売されている。ライバルより扱いやすい特性が特徴だ
2017年に登場した現行GSX-R1000/R。国内仕様は197psを発生し、電子制御や足まわりが充実した「R」仕様のみ発売されている。ライバルより扱いやすい特性が特徴だ

GSX250R、Vストローム250、ジクサー……250も大量に生産終了?

 さらにスズキでは、GSX250Rが令和2年排ガス規制に対応せず、国内販売を終了するとの噂が。このエンジンをベースにアドベンチャーモデルに仕上げたVストローム250も同様にラストと噂されている。

 2モデルはともに人気で、GSX250Rは126~250ccクラスで2021年の販売ランキング9位(2784台)。Vストローム250は11位(2436台)を記録している(販売台数は『二輪車新聞』より)。

 また250クラスで販売ランキング7位に食い込み、同クラスのスズキ車では最も売れているジクサー250/SFも生産終了となる模様だ。

 ただしジクサーはインド生産で、ユーロ5に相当するインドの排ガス規制BS6をクリアしている。エンジンの設計年が2019年と新しく、グローバルモデルであることから、空白期間があったとしても早期に復活する可能性がある。

 なお当サイトで既報のとおり、現行モデル最後のナナハン直4であるGSX-S750の生産終了が正式に告知されている。

GSX250Rと同系のエンジン+骨格を用いたVストローム250は、同クラスでレアなアドベンチャー。ロングストロークの粘り強い走りが好評で、ツーリング好きライダーから評価が高い
GSX250Rと同系のエンジン+骨格を用いたVストローム250は、同クラスでレアなアドベンチャー。ロングストロークの粘り強い走りが好評で、ツーリング好きライダーから評価が高い

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