11月13日、スズキが浜松の本社で3年ぶりとなるVストロームミーティング2022を開催した。そこで、3車種の新型Vストロームシリーズが日本初公開され、鈴木俊宏社長自ら国内販売をアナウンスした。
ここでは、気になる250cc油冷単気筒エンジンのVストロームSXについて、開発者インタビューなど新情報をお知らせしたい。
文/市本行平、写真/南孝幸、SUZUKI、YAMAHA
【画像ギャラリー】シン・VストロームシリーズとVストロームSXのディテールを公開!(11枚)画像ギャラリーツインのVストローム250も併売が確定! 250ccで2機種が選べる
2022年4月にスズキがインドで発表した250cc単気筒エンジンの新型VストロームSXが、日本でも初公開された。開発者もトークショーでセールスポイントをアピールし、新たなモデルの訴求が日本でもスタートした形だ。発売時期は少し先で、2023年後半と予想される。
というのも、VストロームSXのベースとなるジクサー250が令和2年排出ガス規制に対応するのが先で、そのエンジンや吸排気系を導入する流れになるからだ。また、250cc並列2気筒エンジンのVストローム250も販売継続がアナウンスされたので、こちらも排ガス規制に対応するだろう。
2023年は、250ccに単気筒と並列2気筒のVストロームが併売される訳だが、オンロードと未舗装路に対応したVストロームSX(単気筒)、オンロードのVストローム250(2気筒)という棲み分けになる。価格は、ジクサー250の約45万円とVストローム250の約61万円の間になることが予想されるが、現状は不明だ。
さらに、Vストロームミーティングでは、新たにVストローム800DEとVストローム1050DEも国内初公開され、下は250から上は1050までシリーズ7車種体制に拡大されることが明らかになった。スズキは、好評なVストロームシリーズの選択肢を増やすことで、更なるファン獲得を目指していく。
DR250ではなくどうしてVストロームを出したのか?
VストロームSXは、オンロードスポーツのジクサー250をベースにしたアドベンチャーツアラーになるが、搭載する超コンパクトな新作油冷エンジンで本格オフロードモデル「DR」の復活を望む声が大きかったのも事実だ。
これについて開発責任者の野尻哲治氏は、「なぜDRを出さなかったかというと、ライダーのすそ野を広げたいという思いがありました」と話す。ジクサー250がエントリーユーザーに支持されている現状を踏まえて本格オフロード=DRではなく、ツーリングモデルを出すことでエントリーユーザー拡大を目指したのだ。
「VストロームSXはオフロード車ではなく、未舗装路に対応したモデルという位置づけです。フロントホイールを19インチにしたのは、17インチのVストローム250と差別化して新しい選択肢を増やしたいという狙いからです。そして、エントリーモデルとして考えているので21インチではなく19インチで用意しました」と、フロントホイールのサイズ選択がSXのコンセプトを物語っている。
一般的にホイール径が大きくなるほど段差などを乗り越えやすくなるのでオフロード性能が高まるが、旋回性が犠牲になるのでオンロード向きではなくなる。フロント19インチのVストロームSXは、オンロードもこなせてツーリング先では林道も楽しめる。しかし、オフロードコースなどは想定外という中間的なポジションになる。
コメント
コメントの使い方