1000ccクラスのスーパースポーツモデルでトップとなる218PSの最高出力を発揮するCBR1000RR-Rが、フルモデルチェンジするとの情報が入ってきた。その背景と新型の内容を予想したい。
文/ベストカー編集部、CG/SRD
【画像ギャラリー】最大のライバル、イタリアのドゥカティに挑む!(7枚)画像ギャラリーレースで勝つために生まれた「RR-R」はRの数が最多のスーパースポーツ
2022年8月、3年ぶりに開催された鈴鹿8耐でホンダCBR1000RR-Rが圧倒的な速さで独走優勝を果たした。また、同年の世界耐久ロードレース選手権(EWC)でもCBR1000RR-Rを走らせた「F.C.C. TSRホンダ フランス」がタイトルを獲得し、その速さを証明した。
鈴鹿8耐では実に8年ぶりの優勝となり、長い間勝利から遠ざかっていた理由は、ベース車の性能がレースに大きく影響するからだ。ちょうど7年前の2015年にヤマハがYZF-R1をオールニューで発売し、200PSのパワーでホンダの前に立ちはだかった。
この時に差がついたのは、178PSで劣勢だったCBR1000RRのエンジン性能だけでなく、YZF-R1が電子制御によるトラクションやウイリーコントロールなどをフル装備していたことも大きい。大パワーを速さに結びつけるライダーサポートシステムがゲームチェンジを巻き起こしたのだ。
ホンダは、そこから5年かけて2020年に218PSを誇る圧倒的なパワーと先進の電子制御をフル搭載した新型CBR1000を開発した。その名も「RR-R」で、車名にRaceの頭文字「R」が4つも入るというレースの申し子がデビューしたのだった。
RR-Rの次なるターゲットはスーパーバイクレースでの栄冠
2020年にデビューしたCBR1000RR-Rは、スーパーバイク世界選手権にワークス参戦を開始している。ここでは、カワサキが圧倒的な強さを発揮しており、2015~2020年まで6連覇を果たしていた。また、ヤマハが2021年にカワサキの連覇を止めたことも話題になった。
CBR1000RR-Rが2020年からの3年間で獲得したレースでの表彰台は3回のみで最高位は3位。タイトルを獲得した耐久レースでの戦績と比べると、惨憺たる結果と言わざるを得ない。カワサキのZX-10RRの204PSよりも有利なエンジンパワーを持ってしても勝てないのだ。
これがライダーの実力によるものなのかというと、そうではない。2022年は、ホンダからドゥカティに移籍したアルバロ・バウティスタ選手が、チャンピオンを獲得したからだ。マシンを乗り換えて、スーパーバイク選手権でドゥカティに11年ぶりの栄冠をもたらしている。
この出来事がホンダに火をつけたのは間違いなく、CBR1000RR-Rが2024年にフルモデルチェンジする流れに大きく影響したはずだ。CBR1000RR-Rがスーパーバイクというスプリントレースで勝てない理由はシャーシにもあると言われており、エンジン以外も徹底的に見直されるだろう。
コメント
コメントの使い方今さらながら気がつきました。ホンダがスーパーバイクで勝てない状態が続いてきましたが,それがついにMotoGPにも飛び火したことに。どちらもフレームが問題のようですね。パワーで押し切るだけではダメということでしょうか。