CBR1000RR-Rが2024年に最後のフルモデルチェンジ!? 規制強化前にパワーを出し切るか

CBR1000RR-Rが2024年に最後のフルモデルチェンジ!? 規制強化前にパワーを出し切るか

 1000ccクラスのスーパースポーツモデルでトップとなる218PSの最高出力を発揮するCBR1000RR-Rが、フルモデルチェンジするとの情報が入ってきた。その背景と新型の内容を予想したい。

文/ベストカー編集部、CG/SRD

【画像ギャラリー】最大のライバル、イタリアのドゥカティに挑む!(7枚)画像ギャラリー

レースで勝つために生まれた「RR-R」はRの数が最多のスーパースポーツ

 2022年8月、3年ぶりに開催された鈴鹿8耐でホンダCBR1000RR-Rが圧倒的な速さで独走優勝を果たした。また、同年の世界耐久ロードレース選手権(EWC)でもCBR1000RR-Rを走らせた「F.C.C. TSRホンダ フランス」がタイトルを獲得し、その速さを証明した。

 鈴鹿8耐では実に8年ぶりの優勝となり、長い間勝利から遠ざかっていた理由は、ベース車の性能がレースに大きく影響するからだ。ちょうど7年前の2015年にヤマハがYZF-R1をオールニューで発売し、200PSのパワーでホンダの前に立ちはだかった。

 この時に差がついたのは、178PSで劣勢だったCBR1000RRのエンジン性能だけでなく、YZF-R1が電子制御によるトラクションやウイリーコントロールなどをフル装備していたことも大きい。大パワーを速さに結びつけるライダーサポートシステムがゲームチェンジを巻き起こしたのだ。

 ホンダは、そこから5年かけて2020年に218PSを誇る圧倒的なパワーと先進の電子制御をフル搭載した新型CBR1000を開発した。その名も「RR-R」で、車名にRaceの頭文字「R」が4つも入るというレースの申し子がデビューしたのだった。

CBR1000RR-R SP [HONDA]  SC59、SC77と10年以上使われたCBR1000RRの基本を全て刷新して2020年に登場。当時、ドゥカティのパニガーレV4Rの221PSに次ぐ218PSを発揮した
CBR1000RR-R SP [HONDA] SC59、SC77と10年以上使われたCBR1000RRの基本を全て刷新して2020年に登場。当時、ドゥカティのパニガーレV4Rの221PSに次ぐ218PSを発揮した

RR-Rの次なるターゲットはスーパーバイクレースでの栄冠

 2020年にデビューしたCBR1000RR-Rは、スーパーバイク世界選手権にワークス参戦を開始している。ここでは、カワサキが圧倒的な強さを発揮しており、2015~2020年まで6連覇を果たしていた。また、ヤマハが2021年にカワサキの連覇を止めたことも話題になった。

 CBR1000RR-Rが2020年からの3年間で獲得したレースでの表彰台は3回のみで最高位は3位。タイトルを獲得した耐久レースでの戦績と比べると、惨憺たる結果と言わざるを得ない。カワサキのZX-10RRの204PSよりも有利なエンジンパワーを持ってしても勝てないのだ。

 これがライダーの実力によるものなのかというと、そうではない。2022年は、ホンダからドゥカティに移籍したアルバロ・バウティスタ選手が、チャンピオンを獲得したからだ。マシンを乗り換えて、スーパーバイク選手権でドゥカティに11年ぶりの栄冠をもたらしている。

 この出来事がホンダに火をつけたのは間違いなく、CBR1000RR-Rが2024年にフルモデルチェンジする流れに大きく影響したはずだ。CBR1000RR-Rがスーパーバイクというスプリントレースで勝てない理由はシャーシにもあると言われており、エンジン以外も徹底的に見直されるだろう。

2021年9月にスペインのレースで3位表彰台を飾ったCBR1000RR-R。アルバロ・バウティスタ選手は2年間ホンダで戦ったが、目立った成績は残せなかった
2021年9月にスペインのレースで3位表彰台を飾ったCBR1000RR-R。アルバロ・バウティスタ選手は2年間ホンダで戦ったが、目立った成績は残せなかった

次ページは : 1000ccスーパースポーツ高性能化のタイムリミットが迫る

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…