1986~1989年にホンダがパリダカールラリーを4連覇したことは有名だが、その影にNXR750のミニレプリカ企画があったことは知られていない。その名も「モンキーダカール」で後のモンキーバハに繋がるスケッチだ。
ダカールラリーで絶好調の今ならあり得る企画!?
1980年代に人気となったパリダカールラリーは、アフリカ→南米からサウジアラビアに場所を変えて開催されている。1986~1989年に4連覇を果たしたホンダは、2013年から第2期の挑戦を開始し、7年を経て2020年に総合優勝。翌年は連覇を果たし2024年も優勝と勢いに乗っている。
ここで紹介するスケッチは、1986年、ダカールラリー第1期の時代に描かれたもので、「パリダカマシーンのミニチュアモデル“モンキーダカール”のイメージレンダ。ジョークを表現しようと構成されたスケッチ。スケッチを見ているだけでも楽しい」と解説されていた。
この絵が展示されたのは1989年で、この時点では「ジョーク(冗談)」とされているが、1991年にはモンキーBAJA(バハ)が発売されたことから、実際には真面目に検討されて商品化されたと考えられる。当時ホンダはパリダカールラリーで絶好調だったのも後押しになったはずだ。
なぜ、ダカールではなくバハになったのかは不明だが、ビッグタンクは燃費のいいモンキーには不要だからだろう。それでもホンダアクセスの外装キット「モンキーアフリカ」がリリースされたことから、ホンダとしてはモンキーダカールにも強いこだわりを持っていたことが伺える。
モンキーアフリカはモンキーダカールの市販版!?
モンキーバハが発売された1991年当時は、モンキーのビッグタンク版であるゴリラも発売されており、9Lのタンク容量を誇った。定地燃費で航続距離は828kmにも上り、これ以上の容量は過剰と言えるもの。そのためバハは4Lに削減し、軽さを重視したと思われる。
だが、ダカールラリーに参戦したNXR750イメージのスタイルは捨てがたく、モンキーバハに対応したモンキーアフリカ外装キットとして製品化されている。これを装着した車両は、まさにモンキーダカールと言えるもの。メインタンクだけでなく、シート脇のサブタンクも表現されていた。
「一体何Lの燃料が入るのか?」と思うだろうが、実際はSTDの4Lのみ。タンクおよびタンクキャップはダミーで外装キットの中にモンキーバハ本物のタンクが収まっているのだ。それでも、「ジョーク」のスケッチを実際に形にしてしまったホンダの遊び心に拍手を送りたい。
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