東京都のリゾートアイランド・八丈島に滞在中の楽しみ方は様々。その中で、歴史ロマンを嗜みつつ眼前に広がるステキな景色を眺めて楽しむ「八丈八景」巡りがある。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、八丈八景バス巡りの写真があります)
■幕末生まれの深〜い企画・八丈八景
「八丈八景」は幕末期の1867年頃、当時は流刑地の八丈島に遠島中だった、民俗学者の近藤富蔵と神職の鹿島則文が発案。
有名な中国の山水画の題材が8カ所あったことに倣い、八丈島の特に景色の優れた場所を8つ選び世に広めたものだ。
八丈島観光協会作成の観光地図準拠で順番に各所を書き出すと……
【1】前崎晴嵐(まえさきせいらん)
【2】大里晩鐘(おおさとばんしょう)
【3】尾端夜雨(おばたやう)
【4】神湊帰帆(かみなときはん)
【5】名古秋月(なごしゅうげつ)
【6】藍ヶ江落雁(あいがえらくがん)
【7】大坂夕照(おおさかゆうしょう)
【8】西山暮雪(にしやまぼせつ)
……の要領になる。
各所で見られる景色は絶景系からワビサビ情緒系までバラエティに富んでいて、2026年2月現在も観光スポットとして活用されている。
八丈八景とされる場所には解説を記した案内板が立ててあるため、「ここがそうなのか」とハッキリ実感でき、目印があるならちょっと巡ってみようか? という気分にさせてくれる。
■路線バスで八丈八景巡り
八丈島の観光向け移動手段の代表格と言えばレンタカーになる。レンタカーを使えば上記の【8】西山暮雪を除いた八丈八景巡りもそう難しくない。
一方、島内には一部エリアに路線バスが走っており、沿線上にも八丈八景が点在している。だとすれば、路線バスを使って八丈八景を見に行くとして、1日で何カ所くらい巡れるのか試してみることにした。
ただし当日は別テーマの「バスで八丈島の温泉巡りをする」と同時進行していた都合で、八丈八景のみを目的にした巡り方とは少し結果が異なるかもしれないのは悪しからず。
ちなみに【8】はバスでも最初から射程外。というのも【8】の場所が標高854.3mの八丈富士の山頂付近にあるため、これはこれで丸1日スケジュールを押さえる必要があるためだ。
■「町営バス」停留所からスタート
八丈島を北が上の地図で見て、ひょうたん型をした八丈島の“くびれ”の中心付近にある「町営バス」停留所を振り出しに、まずは右下(南東)のエリアへバスで移動。
八丈八景(それと温泉)巡りをするにあたって、バスの本数が少ないため「徒歩」がかなり発生すると予想。
島内右下エリアは物凄く起伏に富んでいる関係で、徒歩区間に下り坂の配分が多くなるよう巡る順番を調整した。
最初に下車するのが、スタート地点から11kmほど進んだ「名古の展望」バス停。ここには【5】名古秋月がある。
絶壁に作られた展望台から広大な太平洋に加え、八丈島南東部分の荒々しい山肌と海岸線を眺めて楽しめる。
■スゴロクみたいに進みます
続いては折り返しのバスで約8km戻り「伊郷名」バス停で下車。進行方向の「大坂トンネル」へ徒歩で向かい、トンネルを抜けると【7】大坂夕照が現れる。
高低差が特に顕著な区間のため、八丈八景が選ばれた150年以上前には、島内でも随一の難所と言われていたそうだ。現在は大きな橋(逢坂橋)が掛けられ、非常によく目立つことから島内のランドマークにもなっている。
橋を登り切る少し手前に展望台があり、そこに八丈八景の案内板が一緒に立てられている。今も八丈を代表する絶景スポットだ。
続いてはまた名古の展望方向に徒歩+バスで約4km進んで「中之郷出張所」バス停で下車。【6】藍ヶ江落雁を目指そうと考えた。
ところが最寄りバス停から片道15分かかると気付いた。折り返しのバスが来るまで30分……ん〜、なんて微妙な。ここでバスを逃すと2時間以上待ち時間ができてしまうため、安全策ということでこの日は諦めた。









