かつては京成電鉄直営だった!?  東京・千葉に広く路線を展開した京成バスの平成初期!!

かつては京成電鉄直営だった!?  東京・千葉に広く路線を展開した京成バスの平成初期!!

 現在は京成バスグルーブとして8社に分離された形で運行にあたっているが、平成初期はまだ京成電鉄による直営事業であった。その後千葉県内を皮切りに分社化が進められたが、電鉄一体経営であった時代の京成電鉄バスの様子をご紹介しよう。

(記事の内容は、2023年3月現在のものです)
文・写真/石鎚 翼
※2023年3月発売《バスマガジンvol.118》『平成初期のバスを振り返る』より

■4枚折戸車、3扉車や長尺車などバラエティ豊かな車両が魅力

いすゞ P-LV314L 富士重工5E型ボディを架装し、中4枚折戸、逆T字窓を採用した当時としては異色の仕様で、江戸川営業所に配置されていたワンロマ車である
いすゞ P-LV314L 富士重工5E型ボディを架装し、中4枚折戸、逆T字窓を採用した当時としては異色の仕様で、江戸川営業所に配置されていたワンロマ車である

 京成電鉄グループのバス事業は、グループ全体で4000両近いバスを保有する、日本有数のバス事業グループである(関東鉄道などを含む)。

 現在、グループの中核をなす京成バスは約800両のバスを保有し、東京・千葉にまたがる広いエリアでバス事業を展開しているが、かつては京成電鉄が直営でバス事業を展開していた。

 バス事業の分社化は1995(平成7)年に始まり、まず成東営業所がちばフラワーバスとして分離された。その後も千葉県内を中心に営業所・車庫単位での分社化がすすめられ、2003(平成15)年にはすべてのバス事業の分社化を終えた。

 車両は国内4メーカーを採用し、路線環境も多岐に渡ることから、一般路線車では4枚折戸車、3扉車や長尺車など様々な仕様が見られた。松戸地区に導入されていた三菱製大型一般路線車には富士重工製ボディを標準的に架装していたことも特徴であった。

 なお、富士重工製ボディはいすゞ車の約半数と日野車のごく一部にも採用されており、路線バス用の5E型ボディは3メーカーのシャーシに架装された。

 現在は分社化によって車両の塗装パターンも様々なものが登場しているが、一般路線バスの標準塗装は、色調が若干明るくなったものの基本的なデザインは変わらない。

 なお、分社化以前にも、ニュータウン路線などオリジナル塗装が採用される路線も散見された。

 高速・貸切バスについては、京成グループ各社で共通の塗装を採用するが、かつてはグループ各社のイニシャルをとって「KaNaC」(=京成電鉄・関東鉄道&成田空港交通・日本観光&千葉中央バス・千葉交通)のロゴが使われていた。

 その後バス事業分社化を機に塗装が一新され、ロゴもKeisei・K’seiに改められた。

 1989(平成元)年には、東京ディズニーランド(TDL)と地方都市を結ぶ夜行高速バスを開設し、同年中に大阪・京都・奈良・和歌山線を相次いで開設。これらとは別に同年には成田空港~仙台線も開設した(のちにTDLまで延長)。

 TDL線はKaNaCカラーのスーパーハイデッカー車が用意されたが、成田空港~仙台線は運行経路上の問題から当時の夜行便としては珍しくハイデッカー車が充当され、専用塗装が施された。

 平成初期は、千葉県内の住宅開発に加え、幕張新都心などオフィス開発も盛んにおこなわれ、バス路線の延伸や新設も相次いだ。京成電鉄にとっても成長が期待される時代だったといえよう。

【画像ギャラリー】8社分離前は京成電鉄が直営展開!! 平成初期の京成バスで活躍した車両たち(10枚)画像ギャラリー

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