長時間のバス旅ではいくらバス好きとはいえ、やはり疲れは出る。ホッと一息入れたいところだが、新幹線のグリーン車でもらえるおしぼりと同じものをバスで使うと「グリーン車」気分になるのか? 超高級観光バスで試してみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■用もないのに長距離バスに乗るのも…
ところで、高速バスはいいのだが、用もないのに無駄に長距離を走っても結局は戻らなくてはならないので、取材とはいえ時間と金の無駄だ。そこで考えたのは貸切バスだ。それもとびっきり上等の夜行バスに使用しても差し支えないほどのクオリティでなければならない。
灯台下暗しとはまさにこのことで、東京には「はとバス」という強い味方がある。その中でも黄色いバスではなく、数台しかない「黒い」はとバスが走っているのでロックオン。この特別仕様な黒い「はとバス」はいすゞガーラのスーパーハイデッカーが充てられ、皮張りの3列シート車だ。
昔の九州昼行高速仕様のような1+2の3列で、かつてのスリーピングシートのようなフットレスト+レッグレスト、さらに現代っぽくUSBポート付きという豪華仕様のバスだ。このバスで運行される定観バスに乗車すれば、バッチリ検証ができる。定員が少ない上、人気の豪華仕様バスで2名隣り合わせのA/B席が取れる日を探して予約した。
■夜行高速バスでもOKな豪華仕様!
発地は、はとバス新宿営業所で、東京駅丸の内口のおなじみ「はとバスのりば」ではなかった。新宿駅東口を出発した「ピアニシモⅢ」は3台しかなく、それぞれの帯の色が異なる。
水引をイメージしており、8本から10本に糸が広がるデザインだ。このおめでたいデザインは「8(は)10(と)バス」というダジャレだが、よく観察しないとわからない細かいこだわりなので、見かけたときは数えてみよう。
高級バスらしく行程業や車内用スリッパ、ペットボトルの緑茶まで用意されていて、夜行高速バスのそれとそん色ないサービス内容だ。