一般路線バスは本拠地の置かれた県内で営業するのが普通であるが、中にはそうでもない場所で運行しているバスもあるらしい。それって一体……!?
文・写真:中山修一
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■地域密着型の交通機関……そりゃそうなんだけども
東京にある一般路線バスの事業者なら、東京都内のさらに一部のエリアに限定してバスを運行し、都外に出ないのが至って一般的と言える。都が県や府に変わっても要領は一緒になるハズだ。
建前はそうなっているものの、例外づくしな路線バス事情をよ〜く見ていくと、地元はもとよりお隣の地に進出して、何事もなくバスを走らせている場所もやはり出てくる。
■アウェイな場所でフル活動
ホームグラウンドを離れ、アウェイな場所でも積極的な活動が見られる地域の代表格が東京都と神奈川県だ。
このエリアでは、バス事業者の何社かが、東京/神奈川両方の営業免許を持っており、東京都の事業者が神奈川県でバスを走らせる(その逆も然り)ことも、ごくありふれたな光景となっている。
主な事業者に、小田急バス(東京都)、東急バス(東京都)、神奈中バス(神奈川県)などが挙げられ、いずれも東京都内/神奈川県内に路線網を広げている。
ただし、都県境を越えて通し運行する路線も、全国的に見れば旺盛な方かも知れないが、所轄の営業所が複数に分かれている関係もあり、基本的に都内は都内、県内は県内で完結する路線が中心となっている。
■神奈川のバスしか来ない東京!?
東京都/神奈川県を通る鉄道路線の主要駅前には、駅から更に細かな地域を結ぶ、バスの停留所やバスターミナルがよく置かれている。
そういった駅前には通常、行き先に応じて2〜3社くらいのバスが乗り入れており、1社単独で受け持っている場所は珍しいかもしれない。まして駅前の規模が大きくなればなるほど、ユニークさが加速していく気がする。
その一例が町田駅だ。町田駅前を発着するのは神奈中バス一択。神奈中は神奈川県のバス事業者で、町田駅があるのは東京都。
普段現地へ行くと、あまりにも日常すぎて意識しないが、言われてみれば東京なのに神奈川がホームグラウンドのバスしか来ない、ちょっと不思議なバススポットに化けたりする。