■CR-V売れ行き低迷の原因
販売店からは「2年間も販売していない期間が生じると、CR-Vを所有されているお客様も、新車への乗り替えを諦めてしまう。他社のSUVを購入されたことも多い」という話が聞かれた。
確かに自分が愛用するクルマの国内販売が終了すると、ユーザーはメーカーから裏切られた気分になる。ミドルサイズのSUVが欲しいユーザーは、CR-Vからエクストレイルなどに乗り替えることもあっただろう。ホンダはシビックも一度廃止して、復活させた経緯がある。
このほかホンダのブランドイメージも変化した。2017年には軽自動車のN-BOXが現行型にフルモデルチェンジされ、この後は小型/普通車まで含めた国内販売の総合1位を守り続ける。
2020年のN-BOXの販売台数は、国内で売られたホンダ車の32%に達した。軽自動車の比率は50%を上まわり、そこにフィットとフリードを加えると70%を超えてしまう。
つまり今の国内におけるホンダは、N-BOX/N-WGN/フィット/フリードに支えられる「小さなクルマのメーカー」だ。300万円を超えるCR-Vは、ホンダのブランドイメージと相性が悪く、売れ行きを下降させる原因になった。
■CR-Vの今後はどうなる?
以上のようにCR-Vが売れ行きを下げた背景には、複数の理由がある。それはすべて国内におけるホンダの欠点を反映させたものだ。ミドルサイズ以上の車種は、ユーザーの期待に応えられず、CR-Vを筆頭にすべて売れ行きを下げている。
従ってCR-Vは、ホンダの国内販売におけるバロメーターともいえるだろう。ホンダが「小さなクルマのメーカー」から脱却して前進を開始すれば、CR-Vも自ずから販売面まで含めて必要な改善を受け、売れ行きを好転させる。
逆に今の状態が続くと、CR-Vは再び廃止されるかも知れない。そうなればもはや、CR-Vが二度と日本国内で売られることはない。ホンダの国内市場に対する思い入れが試されている。
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