「生産終了宣言」したら売れそうなクルマ

■クラウン、スカイラインは日本の宝

このクルマでしか味わえないものがあるトヨタハイラックスが生産終了となれば潜在的ファンが殺到するはず
このクルマでしか味わえないものがあるトヨタハイラックスが生産終了となれば潜在的ファンが殺到するはず

 マニアックでコアなファンを持つクルマは絶対に終了宣言後に売れる。その代表格がトヨタのピックアップ、ハイラックスだ。ここまで押しが強く、存在感のあるモデルは日本車では稀有で、根強いファンが放っておかないでしょう!!

 長い歴史、その財産を持つかぎられたモデルは確実に売れる。いや、これは売れてくれなきゃ困るレベルだ。

SUVのクラウンもFFのカムリもいらん!! 欲しいのはFRセダンのトヨタクラウンじゃ、という人は多い
SUVのクラウンもFFのカムリもいらん!! 欲しいのはFRセダンのトヨタクラウンじゃ、という人は多い

 次期モデルはSUV化されるというきな臭い噂のあるクラウン、400Rの追加で注目を集めたが再び影が薄くなったスカイラインの2台は、まさに日本の宝。消滅するとなれば、究極のドメスティックヒーローゆえ国葬もあり。

幾度も消滅説が出ているが健在の日産スカイライン。かつての神通力はないが、スカイラインという車名の重さは否定できない
幾度も消滅説が出ているが健在の日産スカイライン。かつての神通力はないが、スカイラインという車名の重さは否定できない

 トヨタ、日産とも生産終了の際は、高らかに宣言し、華々しいファイナルモデルを設定。で、終了イベントで大々的に全国行脚。これくらいやってほしい、いや、やるべき。

今でこそ影の薄くなったホンダオデッセイだが、多くの旧型旧々型ユーザーがいるため、生産終了宣言によって販売は確実に伸びるハズ
今でこそ影の薄くなったホンダオデッセイだが、多くの旧型旧々型ユーザーがいるため、生産終了宣言によって販売は確実に伸びるハズ

 この2台には及ばないがオデッセイもビッグネーム。存在感が薄れてても、歴代乗り継いでいる人も少なくないので、なくなるとわかればフォロワーは絶対いる。

■日本よりも欧米での注目度が高い

 次期モデルは存在しない可能性の高い2台も生産終了宣言すれば売れそう。

次期モデルが存在せず消滅の可能性のあるトヨタC-HR。本当なら、ユーザーにはそれがいい方向に作用する可能性あり
次期モデルが存在せず消滅の可能性のあるトヨタC-HR。本当なら、ユーザーにはそれがいい方向に作用する可能性あり

 C-HRのような奇抜なデザインを売りにしているクルマは、次期モデルが存在しない=当面古臭くならない、ということでユーザーは安心して買うことができるので、そのぶん需要は増す。シリーズ一番人気なのに消滅しそうなヴォクシーは、『煌ファイナル』の登場に期待。エンブレムに『煌』の文字を象(かたど)るのもウケそう。

シリーズで一番売れているのに消滅する可能性が高いトヨタヴォクシー。人気の煌のスペシャルファイナルバージョンをお願いします
シリーズで一番売れているのに消滅する可能性が高いトヨタヴォクシー。人気の煌のスペシャルファイナルバージョンをお願いします

 GRヤリス、GT-R、NSXの3台に共通するのは、日本よりも欧米での注目度が高い点だ。それゆえ生産終了宣言をすれば、日本よりも海外で大騒ぎとなること必至。日本車なのに日本の割り当てぶんも少ないんだろうなぁ、と危惧しております。

トヨタGRヤリスはホモロゲ取得に必要な2万5000台を売れば生産終了の可能性もある。今後出てこないクルマだから殺到すること必至
トヨタGRヤリスはホモロゲ取得に必要な2万5000台を売れば生産終了の可能性もある。今後出てこないクルマだから殺到すること必至
ホンダNSX、日産GT-Rとも日本より海外のほうが大騒ぎになるだろう。ともに高額でしかも将来的にプレ値も期待できるため、富裕層が熾烈な争奪戦を繰り広げることになる
ホンダNSX、日産GT-Rとも日本より海外のほうが大騒ぎになるだろう。ともに高額でしかも将来的にプレ値も期待できるため、富裕層が熾烈な争奪戦を繰り広げることになる

■“生産終了宣言しても……”なクルマたち

 余計なお世話だが、生産終了宣言しても売れないかも、なクルマについても見ていこう。

レクサスRC Fは絶滅危惧種の高性能ハイパワーFRクーペと話題となる素養はあるが、BMW M4などドイツ勢の存在が大きな足かせに
レクサスRC Fは絶滅危惧種の高性能ハイパワーFRクーペと話題となる素養はあるが、BMW M4などドイツ勢の存在が大きな足かせに

 まず、売れそうなクルマと決定的に違うのは、そのクルマでしか堪能できないものがないこと。つまり代用が利いてしまう。RC Fは日本では唯一無二の存在ながら、BMW M4を筆頭にそちらに客が流れている。

 それと存在感。忘れ去られたような存在になっていれば話題になったり、売れるのは難しい。これはビッグネームについてもしかり。失地回復にもがくのも得策ではない。

フェアレディZは昨年次期型のプロトタイプを公開したため、どうしても現行という人以外なびかないのは当然
フェアレディZは昨年次期型のプロトタイプを公開したため、どうしても現行という人以外なびかないのは当然

 あと、フェアレディZのように、すでに次期モデルのプロトが公開されていて、そのモデルが期待度MAXとなれば、生産終了宣言をしてもそれほど効果は見込めない。

日産マーチほどのビッグネームが苦しんでいるのは見ていて辛い。今のままでは生産終了宣言してもクルマ雑誌が騒いで終わり!?
日産マーチほどのビッグネームが苦しんでいるのは見ていて辛い。今のままでは生産終了宣言してもクルマ雑誌が騒いで終わり!?
三菱ミラージュは苦戦しているが、2度のビッグマイチェンの敢行、特別仕様車の積極設定など、苦境打破へのひたむきさは応援したくなる
三菱ミラージュは苦戦しているが、2度のビッグマイチェンの敢行、特別仕様車の積極設定など、苦境打破へのひたむきさは応援したくなる
次期モデルはFRセダンになるマツダ6。生産終了宣言しても大幅進化した新型の魅力には勝てない
次期モデルはFRセダンになるマツダ6。生産終了宣言しても大幅進化した新型の魅力には勝てない
レクサスCT。いつまで売るの?まだあったの?というのが大方の見解。これでは盛り上がりは期待できない
レクサスCT。いつまで売るの?まだあったの?というのが大方の見解。これでは盛り上がりは期待できない
ホンダインサイトはデザインはカッコいいし、走ってもいいクルマだけど、日本人の琴線を刺激せず存在感が薄い
ホンダインサイトはデザインはカッコいいし、走ってもいいクルマだけど、日本人の琴線を刺激せず存在感が薄い
トヨタヴェルファイアは性能ではなく顔の好き嫌いで明暗がわかれたので、生産終了宣言しても好転は難しそう。そんななかで年内には宣言を出す!? 
トヨタヴェルファイアは性能ではなく顔の好き嫌いで明暗がわかれたので、生産終了宣言しても好転は難しそう。そんななかで年内には宣言を出す!? 

【画像ギャラリー】“生産終了宣言しても……”なクルマも含め計20枚を公開!!


 「『生産終了宣言』したら売れそうなクルマ』」は4月26日発売『ベストカー』(2021年5月26日号)からの転載です。雑誌では、「近年生産終了宣言をしたクルマの明暗」と題し、生産終了宣言をしたクルマの写真や状況も掲載。雑誌もぜひお楽しみください。

 2021年5月26日号では、ほかにも気になる記事が盛りだくさん。スクープスペシャル「ニューモデル確定情報2連弾!!カローラスポーツGR最終デザイン判明 日本仕様がすべてわかったNEWアウトバック」をはじめ、BC徹底特集「今こそ行方が気になるSUV世界大戦」や、データ満載「国産人気車全43車 気になる『一番売れている』グレードはどれだ?」、ドライブで役に立つ「買う・食べる・遊ぶのワンダーランド!高速道路SA・PA GUIDE」、人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」など幅広い世代が楽しめる読み物を掲載しています。

『ベストカー』(2021年5月26日号)の購入はこちら

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…