■自動運転車の主導権は今後どうなる⁉
かくのごとく、自動車業界の常識として、新しい技術は法的要件をすべてクリアし一般ユーザーが使う上での信頼性/安全性を担保する工程を経なければ、市場に出ることはない。これは自動運転に限ったことではなく、電動化やコネクテッドなど流行りの新アイテムでも同様だ。
こういう社会的な制約や安全上の課題を無視して、来年から無人タクシーが東京の街を走りますとか言っても、それは単なる夢物語。普通の技術なら百万分の一くらいのエラー率で製品化できるかもしれないが、その辺の商店街に自動運転タクシーを走らせて子供でもハネた日には、その瞬間にプロジェクトは終了。自動運転をビジネスとして軌道に乗せようと思うなら、そういうリスクを時間をかけて潰してゆく作業を根気よく続ける他ないのだ。
ところが、この自動車業界ではあたりまえの工程が、じつは自動運転ベンチャーにとってもっとも苦手な(というより、やりたくない)作業。そもそも、斬新なアイディアを武器に一攫千金を狙うのがベンチャービジネスの本質なんだから、彼らだけで自動車のような裾野の広いビジネスが完結すると思うのが間違い。ベンチャーにはベンチャーの役割があるのだから、それを上手に利用するのが賢いビジネスなんじゃないですかね?
ベンチャーには斬新なアイディアと技術があり、既存の自動車メーカーにはそれをリーズナブル価格で商品化する力がある。どっちが欠けても、まともな商品としての自動運転車など実現不可能。戦いがあるとすれば、主導権をどっちが握るかが主戦場なんだと思うんですが、みなさんはどう思いますか?
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