10月31日投開票の衆院選に向けて、各党の党首や政党要人が、連日のように全国各地の選挙区に入り、応援演説を行っている。岸田新総理も、数々の地方遊説が予定されており、そのスケジュールは分刻みという。
有権者としては、各党の主張や公約をナマで聞くのは大いに刺激になるが、この地方遊説、実は警察マニア的には、総理大臣をはじめとした専用車や警備・警護などがウォッチできるまたとない機会でもあるのだ。
なかでも総理大臣の警備は、非常にハイレベルで、車両も専用車が用意されるため、見どころがいっぱいだ。要人を警護する警護車については『平成~令和新時代 パトカー30年史』に詳しい解説があるが、今回は、東奔西走する総理大臣をサポートする専用車について紹介しよう。
文・写真/有村拓真
【画像ギャラリー】総理大臣専用車の歴代モデルをふりかえる(13枚)画像ギャラリー■最新の総理大臣専用車は現行型センチュリー
現在、総理大臣の公務で主に活躍している最新型の総理大臣専用車は、現行型(60型)センチュリーである。2020年4月、安倍内閣の時代に、それまでのレクサスLS600hLに代わってデビューしている。防弾架装などに耐えるため、アルミホイールが標準仕様車より1インチほど大きなものが使用されており、完全な特注であることが分かる。また、防弾ガラスも分厚いものがあつらえられているためか、特にリアウインドウは窓枠部分がノーマル車に比べて厚くなっている。
ボンネットに配されるセンチュリーのエンブレムは外されており、その位置には日の丸を掲出するための旗台が設置されている。先代の50型センチュリーの総理大臣専用車ではエンブレムと旗台の両方が備わっていたが、現行センチュリーに限っては旗台のみとなっている。ちなみに、これは天皇皇后両陛下が御乗用になる御料車のセンチュリーと同じ仕様だ。
なお、総理大臣専用車が日の丸を掲出するのは、天皇誕生日など特別な行事の際の皇居参内時や自国でサミットが開催される際などに限られている。また、総理大臣専用車を示す青色の識別灯がフロントグリル内とリアバンパーに埋め込まれており、光源はLEDとなっている。これは後述するレクサスも同様の仕様となっている。
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