■なぜメーカーはイメージカラーを設定するのか?
この白、黒、シルバーだけで全体の65%以上という人気ぶりだが、カタログやCMを見ていると、各社とももっとビビットなイメージカラーを前面に出している場合が多い。
例えば、マツダは近年「ソウルレッドプレミアムメタリック」をイメージカラーとしてプッシュしており、街中でもそれなりに「ソウルレッドプレミアムメタリック」のマツダ車を見かけるので、健闘しているとは思うが、大ヒットしているとは言い難い……。
この「ソウルレッドプレミアムメタリック」について、以前マツダのカラーデザイン担当者に話しを伺ったことがあるが、その方は「色も造形の一部と考え、クルマづくりへの情熱を表現する色として『赤」を選んだ」と語ってくださった。
その他、スバルのWRブルーやスズキのチャンピオンイエローなど、モータースポーツ系のイメージカラーはあるが、一部の車種を除いてはレアな存在で、前記の通り、青系は全体の10%、黄・金系は2%しか選ばれていない……。
それでも各メーカーが定番色以外のビビットな色を用意してくるのは、そのクルマの世界観を表現したり、カタログやCMで“映える”ことを考えているため。どうせならその提案にのってしまうというのもひとつの手だと思うのだがどうだろう。
■ボディカラーによって事故率が変わる?
もうひとつ、ボディカラーと事故率の関係も気になるところ。
ニュージーランドのオークランド大学の研究によると、一番台数が多い白いクルマの事故率を1.0にした際の、色別の事故率はグラフの通り。
一番事故率の低いシルバー(銀色)は光を反射しやすく、昼はもちろん夜間でも視認性が高いため、安全性が高いと思われる。また、色別の距離感に関しては、黄色が一番正確な距離で認識される。
青、黒、紫などの後退色(収縮色)は、目の仕組みの関係で、実際の距離より遠くに見え、周囲のクルマから認知が遅れる傾向があり、赤やオレンジなどの進出色は、実際より近くにあるように見えるので、車間距離に余裕を持たないと、あおり運転? と思われやすいかもしれない。
ただ、好きなカラーを選べるのは、新車を買うときの大きな特権。
流行りもリセールバリューも無難さも大事かもしれないが、せっかくなら自分の好きな色、自分に似合う色選んで、愛着を持って乗った方が楽しいのでは?
服や持ち物をすべて同じ色で統一している人もいるだろうし、風水で開運カラーを気にする人だっているだろう。
同じクルマでも色が変わればキャラクターも変わる。余談だが、筆者は今年、シルバーだった愛車のロードスターを、DIYでイエローに塗り替えてみたが、気分が一新し愛着もさらに深まった感じがする。
やはり色の持つ力は大きいので、長く付き合うクルマほどお気に入りの色を選んで、カーライフをもっと鮮やかに楽しんでみてはどうだろう。
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