ホンダ e(2020年~)
EVが続々と発売されているが、他のEVとは一線を画した雰囲気を持つのは、2020年に誕生したホンダ初のピュアEV、ホンダ eだろう。センスを感じるのは個性溢れるデザイン性。
まずは円を基調としたエクステリアデザイン。「見せる要素と隠す要素を明確化する」というコンセプト通り、ゴテゴテしたデザインを完全排除。目につくのは黒いグリルとライトだけ。カメラやレーダー、充電機器などの装備は目立たないように黒いエリアの中に集約し、シンプルさを際立たせている。フロントマスクは見ようによってはロボットの顔のようだ。
インテリアデザインも秀逸だ。まずは眼前に広がる水平に並んだワイドビジョンインストルメントパネルに度肝を抜かれる。これは世界初となる装備で、ナビ情報の確認・操作、スマートフォンと連動させることでスマホのアプリ操作ができたり、オーディオ操作ができたりと、さまざまな操作をこのパネル上で行うことができてしまうのだ。
また、「OK, Honda」と呼びかけることで、最新の情報をオンデマンドに得られるHondaパーソナルアシスタント機能を搭載。音声でナビ情報を得たり、オーディオ操作をしたりすることが可能となる。と、まるで近未来のクルマを思わせるような機能が満載されている。
そのいっぽうで、シートとドアの表面にはメランジ調のファブリックを使用、ブラウンのシートベルトやダウンライト式のLEDルームライトなどを装備するなどして、上質でモダンなリビングのような空間を作り出すための工夫が施されている。
とにかく新しもの好きという人にはたまらない、スタイリッシュなピュアEV。一度実物を目にしたら虜になること間違いなしだ。
MAZDA6 ワゴン(2019年~)
ステーションワゴン人気の低迷が続き、現在のところ新車購入できる国産のステーションワゴンは数車種とさみしい状況だが、あえてSUVやワンボックスではなく、ステーションワゴンを選択肢に入れるというのもありだ。この時代にあえてステーションワゴンを選択するだけでも、我流を貫いている感はあってちょっとカッコイイ!?
お薦めしたいのは、MAZDA6のステーションワゴン。MAZDA6は以前はアテンザとして販売されていたが、2019年のマイナーチェンジを機に、MAZDA6へと名称が変更されたマツダのフラッグシップモデルだ。
推しポイントは、何と言っても美しいスタイリングだ。派手すぎず、地味すぎず、いわゆる上品さが漂う。
内装も実に上品。特筆すべきは内装に使用している素材。例えば、インパネ回り。パネルには本物の木を素材とした本杢(セン)を、インストルメントパネルには量産車としては世界初のウルトラスエードヌーを使用している。シートにも、滑らかなでしっとりとした触感のナッパレザーを使用するなど、上質さを演出することへの強いこだわりが見て取れる。
もちろん走りも上質。特に、「4.0リッター V8自然吸気ガソリンエンジン並みのトルク」とマツダが誇る、SKYACTIV-Gシリーズ初の2.5リッターターボエンジンは、最高出力230ps、最大トルクが420Nm(約42.8kgm)ものパワフルさで、スポーツカー顔負けの走りを楽しめる。
他にも、車両姿勢制御技術「Gベクタリングコントロールプラス」を標準装備、先進の予防安全装備、運転支援機能が充実するなど、とにかく機能も上質。ラゲッジも大容量で、使い勝手も満足点以上。
スタイリングはもちろんのこと、走行性能、実用性、すべてにセンスが感じられるクルマだ。
ちなみに、アテンザの時代も含めて、前回のフルモデルチェンジからすでに10年近くが過ぎようとしているMAZDA6のフルモデルチェンジは間近に迫っている。駆動レイアウトやスタイリングなどにかなり大きな変更が加えられるという噂が飛び交っているが、ステーションワゴンが残されるかは今のところ不明だ。
現行モデルをあえて選ぶか、新型の登場を待つか。悩ましいところだ……。
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