■スズキ ワゴンRスマイル
スライドドアを装着する軽自動車は、全高が1700mmを超えるスーパーハイトワゴンが中心だが、「スペーシアほど背が高い必要はない」という意見も根強い。
そこで2021年には、全高が1700mm以下で、スライドドアを装着するワゴンRスマイルが登場した。2016年には、同様の考え方に基づいてムーヴキャンバスが発売され、ワゴンRスマイルもそれに続いている。
販売店はワゴンRスマイルの売れ行きについて、以下のように説明した。「今はスライドドアの人気が高く、スペーシアではニーズに合わないお客様がスマイルを購入している。
その一方で、スライドドアは不要だから、価格を安くして欲しいという意見もある。そのようなお客様は従来からのワゴンRを購入され、両車は売れ行きを偏らせずに共存できている」。
ちなみにライバルメーカーのダイハツには、全高が1800mmを超えるウェイク、上質感を重視したキャストなど、背の高い軽自動車が豊富だ。重複を避けるため、各車に独自の個性を持たせる傾向があり、ムーヴキャンバスも後席の下に引き出し式の収納設備を配置した。
引き出した状態で中敷きを立ち上げると、バスケット状になり、中に置いた買い物袋が倒れない。
ワゴンRスマイルにこのような工夫はないが、後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、フラットで広い荷室に変更できる。機能的にはスライドドアの装着も含めて、スペーシアの全高をワゴンR並みに低くしたようなクルマに仕上げた。
そのために機能や魅力が分かりやすく、売れ行きも堅調だ。ヤリスクロスも含めて、各メーカーのラインナップに応じた適切な車種を投入することも、売れ行きを伸ばす秘訣になっている。
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