フルモデルチェンジが仇となった!? 先代の栄光を引き継げなかったクルマ6選

太陽の光は走り屋に降り注がず? 「ホンダ CR-Xデルソル」

フルモデルチェンジが仇となった!? 先代の栄光を引き継げなかったクルマ6選
ホンダ CR-Xデルソル。それまでのCR-Xとは大きく意匠を変える戦略が採用されたものの、この変更にユーザーがついていけず、シリーズも打ち切りとなった

 ホンダ CR-Xは、FFライトウェイトスポーツというカテゴリーを定着させたモデルとしても知られている。特に1983年発売の初代とそれに続く2代目CR-Xは、コンパクトなハッチバック(ファストバック)スタイルボディと、気持ち良く回るエンジンの組み合わせがもたらすキビキビとした走りで人気を博した。

 だが、1992年登場の3代目で状況は一変する。新たに「デルソル」の名称が与えられた新型CR-Xはそれまでのコンセプトを大きく変え、電動オープントップを装備し、ボディフォルムも先代の面影をほとんど残さないものへと変貌していた。

 電動オープントップの搭載などによって重量が増え、従来のCR-Xが武器としていた軽快感も薄れてしまったデルソルの販売台数は落ち込み、1999年に生産を終了。CR-Xシリーズもこのデルソルが最後のモデルになった。

 スペイン語で「太陽」を表すデルソルの名を持った3代目CR-Xだったが、その陽射しはユーザーの心を照らせなかった。

「クジラ」は史上最大の失敗作!? 「トヨタ S6/7系クラウン」

フルモデルチェンジが仇となった!? 先代の栄光を引き継げなかったクルマ6選
スモールライトとウインカーの位置が個性的な4代目トヨタ クラウン。全体のフォルムも丸みを帯びた独特なもので、ボディと同色のカラードバンパーも採用

 現行の4ドアセダンはいったん終了し、SUVへの転向もウワサされるのがトヨタのクラウン。日本の高度経済成長を象徴する存在だったクラウンにも、実は失敗作と呼ばれるモデルがあるのをご存じだろうか?

 1955年に登場した富裕層向け純国産高級車がクラウン。その4代目モデルが発売されたのが1971年だが、この4代目S6/7系が“やらかして”しまったクラウンだ。

 先代の格調を重んじた重厚なスタイルから、スピンドルシェイプと呼ばれる丸みのあるフォルムに変更された4代目は、2.6リッターエンジンの搭載やシリーズ初の「スーパーサルーン」グレードの設定など、意欲的な試みが数多く盛り込まれていたものの、先進的すぎるフォルムが敬遠されて販売台数が低迷し、ライバルだった日産のグロリア&セドリックに逆転を許してしまった。

 このため「クラウン史上最大の失敗作」の烙印を押され、1974年には早くも後継の5代目が用意された。この5代目で売り上げが復活したことがさらに4代目の立場を悪くしてしまったが、「クジラクラウン」とも呼ばれた独創的なフォルムを評価する声が多かったのもまた事実だった。

薄れゆくスポーティさと迷走の始まり? 「トヨタ Z30型ソアラ」

フルモデルチェンジが仇となった!? 先代の栄光を引き継げなかったクルマ6選
代目トヨタ ソアラ。先代とは対照的にのっぺりとした顔つきになり、シャープな印象はなくなっている。パワフルな4リッターV8エンジンモデルも用意された

 2ドアハードトップタイプの車体に高出力エンジンを搭載するという高級志向のコンセプトが人気を呼んだトヨタ ソアラ。特に1981年発売の初代モデルは、高性能と美しいデザインが評価され、好調なリリースを記録すると同時に第2回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、一躍時代を代表するクルマになった。

 1987年には2代目が登場するが、このモデルは先代の正当な継承車であり、けっして安価なクルマではないにもかかわらず、バブル景気も後押しとなって大ヒットしている。

 そんなソアラの3代目(Z30型)がリリースされたのが1991年。ユーザーは今回もまた前作の正常進化版を期待したのだが、彼らの目の前に現れたのは、直線を基調にした先代とは打って変わったラウンドシェイプのソアラだった。

 “ナマズ顔”とも揶揄された3代目ソアラのフロント回りは、先に紹介したCR-Xデルソルとも共通のイメージであり、この時代の流行と言えないこともなかったが、シャープ感が減ったこのスタイルは従来のソアラユーザーからの拒否反応も強く、販売成績も低迷した。

 この3代目ソアラは国外ではレクサス SCとして販売され、それは続く4代目でも同様だった。ただし2010年からは国内でもレクサス SCが発売されることになり、ソアラの歴史はこの時点で終了している。

次ページは : 未来型デザインが“マッチョ”なイメージを損ねた? 「シボレー 6代目カマロ」

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