アクアvsフィット カローラクロスvsヴェゼル… ライバル車種をプロが直接比較で白黒つける!!

■コンパクトSUV対決(トヨタ カローラクロス VS ホンダ ヴェゼル)

両車とも日本で使いやすいコンパクトSUV。室内空間は両車とも十分だが、走りの洗練度ではホンダ ヴェゼル(写真)が上回る
両車とも日本で使いやすいコンパクトSUV。室内空間は両車とも十分だが、走りの洗練度ではホンダ ヴェゼル(写真)が上回る

 両車とも日本で使いやすいジャストサイズの快適クロスオーバーSUVだ。ボディサイズはカローラクロスのほうが大きいが、取り回し性のよさは負けていない。

 キャビンは独創的なセンタータンクレイアウトを採用するヴェゼルのほうが広く、多人数乗車でも寛げる。特に後席の広さは圧巻だ。大柄な人でも足を組んでゆったりと座れる。

 カローラクロスは視界がよく、シートもたっぷりサイズだ。後席の膝もと空間はヴェゼルほど広くはないが、頭上には余裕がある。4名乗車時の荷室の奥行きも充分だ。だが、荷物を積みやすいのは荷室がフラットなヴェゼル。

 パワーユニットは、両車ともガソリンエンジンとハイブリッド車を設定した。カローラクロスは1.8L、ヴェゼルは1.5Lだ。主役となるハイブリッド車の評価は、e:HEV搭載のヴェゼルが一歩リード。パワー感とトルク感は300ccの違いを感じさせないし、ドライバビリティも一歩上を行っている。

 ガソリン車は、どちらもスポーティな味わいだ。これで充分と言える実力を秘め、ハンドリングも軽やか。だが、カローラクロスはFF車しか設定がないのが残念。ヴェゼルも廉価グレードだけで装備などに不満を感じてしまう。

 ハンドリングの洗練度はヴェゼルに一日の長がある。2WDを含め、カドが取れた穏やかな乗り味が心地よい。それでいてスポーティな走りも余裕でこなす実力派だ。

■テスト結果(カローラクロス/ヴェゼル)
・ハンドリング:8/9
・動力性能:8/9
・ドライバビリティ:8/9
・SUVらしさ:9/8
・リアシートの居住性:7/10
・総合:8/9

■判定…ほぼすべての項目でヴェゼルが上回った

●トヨタカローラクロス車両諸元
・全長×全幅×全高:4490×1825×1620mm
・重量:1380kg
・エンジン/モーター:1.8L、直4(98ps/14.5kgm)+モーター(53ps/16.6kgm)
・WLTCモード燃費:26.2km/L
・価格帯:199万9000円~319万9000円

●ホンダヴェゼル車両諸元
・全長×全幅×全高:4430×1790×1590mm
・重量:1380kg
・エンジン/モーター:1.5L、直4(106ps/13.0kgm)+モーター(131ps/25.8kgm)
・WLTCモード燃費:24.8km/L
・価格帯:227万9200円~329万8000円

(TEXT/片岡英明)

■シリーズハイブリッドSUV対決(ダイハツ ロッキー VS 日産 キックス)

日産 キックス(左・オレンジ)とダイハツロッキー(右・白)。ロッキーは改良によりハンドリングが格段に進化しているが、まだまだキックスには及ばない
日産 キックス(左・オレンジ)とダイハツロッキー(右・白)。ロッキーは改良によりハンドリングが格段に進化しているが、まだまだキックスには及ばない

●ハンドリング…モーターやバッテリーの性能がだいぶ異なり、システム的に高性能なのはキックス。足回りもキックスは日本導入時点で課題を洗い出し、ボディ剛性を高め、電動パワステをチューニングし直したというだけあって、ハンドリングの洗練度はかなりのもの。かたやロッキーは改良による変更は特に伝えられていないものの、実はけっこう乗り味がよくなっている。もし改良前の荒削りなままだったら3点のところ、改善されたことは評価したい。

●動力性能(加速性能)…動力性能もスペックのとおり、キックスのほうが瞬発力はある。ただし、モータードライブならではのレスポンスやなめらかな走りはロッキーだって充分に味わえる。ロッキーで気になるのはエンジンが頻繁にかかること。また、強く加速したい時にアクセルを踏み込んだ直後に加速し始めるまでにほんの一瞬タイムラグがある。

●ドライバビリティとシリーズHEVとしての楽しさ…e-POWERはエンジンで発電した電気を必ずバッテリーにためてからモーターを駆動するのに対し、e-SMARTは直接モーターを駆動することもできるのが大きな違い。効率がよいからだ。ただしバッテリー容量が小さく、エンジンを効率のよいところで回して発電するよう制御しているので、エンジンのかかる頻度や、加速の立ち上がり方で、どうしてもe-POWERのようにはいかない部分があるのは否めない。

●インテリアの質感…一方、インテリアも車格の違いがモロに現われている。キックスは価格が高いなと第一印象として思ったものだが、インテリアを見て納得。質感もデザインもなかなかだ。ロッキーの空間の広さもこのサイズのわりにがんばっているが、キックスはさらに広い。

●総合評価…クルマとしての実力はキックスのほうがずっと高いが、昨年キックスが月販平均3000台足らずだったのに対し、ロッキーはライズと合計でその3倍近くも売れた。コスパの高さや、日本人好みのデザインが効いているはず。e-SMARTも加わったことで、今後はもっと差が開きそう。完成度はキックスが圧倒的だが、商品としての魅力はロッキーが上と言えるだろう。

■テスト結果(ロッキー/キックス)
・30~60km/h:2.8秒/2.2秒
・60~80km/h:3.6秒/3.2秒
・80~100km/h:3.9秒/3.6秒
・アイドリング騒音:49.6dB/44.8dB
・60km/h騒音:61.0dB/58.7dB
・100km/h騒音:62.6dB/62.4dB
・前席との距離:こぶし1.1個/こぶし1.2個
・ラゲッジ幅:995mm/1005mm
・ラゲッジ奥行き:810mm/1010mm
・ラゲッジ高さ:775mm/840mm
・ハンドリング:5/9
・動力性能:6/8
・ドライバビリティ:7/9
・シリーズハイブリッドとしての楽しさ:7/9
・インテリアの質感:5/8
・総合:6/9

■判定…性能面はキックス圧勝も商品力はロッキーに軍配!

●ダイハツ ロッキー 主要諸元
・全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm
・重量:1070kg、
・エンジン/モーター:1.2L、直3(82ps/10.7kgm)+モーター(106ps/17.3kgm)
・28.0km/L
・価格帯:211万6000~234万7000円

●日産 キックス 主要諸元
・全長×全幅×全高:4290×1760×1610mm
・重量:1350kg
・エンジン/モーター:1.2L、直3(82ps/10.5kgm)+モーター(129ps/26.5kgm)
・WLTCモード燃費:21.6km/L
・価格帯:275万9900~286万9900円

(TEXT/岡本幸一郎)

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