■ほぼ入手可能性ゼロ メルセデスベンツ190E 2.5-16 エボII
続いては、メルセデスベンツのスペシャル限定車といえばこのクルマ。
●こんなクルマ
メルセデスベンツ190E 2.5-16エボリューションはIとIIの2タイプが存在し、どちらもグループAのホモロゲを取得するための生産車で、500台ずつが生産された。
前後の仰々しいまでのオバフェンとそびえ立つリアスポイラーが特徴。後期のエボIIでさえパワーは235psと今ではどうってことないスペックだったが、当時は画期的だった。
ちなみにランチアデルタインテグラーレよりも三菱ランエボシリーズよりも先にエボリューションの名称を使ったのがこのクルマだった。
日本にもエボIが3台、エボⅡが18台正規導入された。
●いまどうなっている?
この超希少なクルマのオーナーであるレーシングドライバーであり自動車評論家でもある桂伸一氏に現状を聞いてみた。
「ボクは日本に入った18台の正規輸入されたエボIIの1台を1992年に購入したから21年目になるね。エボIIは今でも現役。といっても、2~3カ月に1回乗るくらいかな。カミさんからはもう売れば、とプレッシャーをかけられているけど、クルマ好きならこの気持ちわかるでしょ。
エボIは3台しか日本に正規輸入されていないけど、エボIIは18台が正規輸入されている。ただ、売れなくてそのまま本国に戻ったものもある。並行モノについては、正規モノと同じくらいの台数が日本に入ってきているというので、現存するモデルは多く見積もって20台くらいじゃないかと思う。
当然古いクルマだから故障もする。エボIIはハイドロを使っていて、アキュムレーターで車高を上げ下げするのだが、経年劣化で7~8年に1回壊れる。パーツはシトロエンのほうが安いのでそれを買って対処しているから特に問題ない。」
今後数は減るばかりで、売り物は皆無と思ったほうがいい。ただし、ネットオークションに出されていた、という桂氏の証言もあるので、欲しいなら気長に探すことですな。まぁ、可能性は強烈に低いけど……。
希少車にお乗りの人は、それだけで宝です。貴重です。国を挙げてバックアップするくらいしてもいいんじゃない? それがクルマ文化を育てる!
●残存数……20台!?
* * *
【番外コラム】プレミアがつく・つかないの分岐点
プレミアがつくかつかないの分岐点は、いろいろな条件が重なり合っているが、人気モデルであること。これが最低限条件。
そのほか数が少ない、古いことも重要。なぜならこれらの要素を満たすものは入手困難だから。どんなにお金をかけてでも手に入れたい、と思えば必然的にプレミアムがつくのだ。
そのいっぽうで、“琴線に触れる要素がある”というのも非常に重要になってくる。
これは別にクルマ好きの琴線に触れる、という意味ではない。どんな人が興味を持つかわからないから。例えば、有名画家がボディペインティングをやったとかいえば、クルマ好きはノーマークでもいくら出してでも買う、というその筋の人は存在。
ラリー好きなら、“ホモロゲ取得モデル”と言われただけで欲しくなるというもの。
著名人が以前所有していた、というのに価値を見出す人もいる。
いわゆる“バックボーン”があることが必要で、これがあるなしでモノの価値はぜんぜん変わってくるのだ。
これらの要素は、単独よりも複合したほうがプレミアム性が高くなるのは言うまでもない。
●セナの所有したNSX
伝説のF1ドライバー、A・セナが生前所有していたホンダNSXがオークションに出品されている。セナ財団ではなくある個人の出品だという。セナは自ら3台のNSXを所有していたというが、このNSXはその1台で1993年式。ボディカラーはブラックで5万km。完全なオリジナル状態を保っている。締め切りの関係で落札価格をお伝えできないが、熱狂的なファンを持つセナだけにかなり高額になるのは間違いないだろう。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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