■発炎筒の使用期限と処分方法
クルマへの搭載が義務付けられており、それがない場合は車検にも合格することができない「発炎筒」。その性能には「夜間200mの距離から確認できる赤色の灯光を発する自発光式のもの」という基準があることは前述のとおりだ。
それに加えて、保安基準の細目を定める告示第220条のなかには、「JIS(日本産業規格)で定められた規格またはそれと同等以上の性能を有していない発炎筒は、使用することができない」と定められおり、燃焼時間が5分以上ある点や有効期限が製造後4年間であることも「JIS D 5711」で明示されている。
そう「発炎筒」はずっと使えるわけではなく、有効期限があるのだ。
有効期限を過ぎてしまったものは劣化によって、万一の際点火できないこともあるため、新品への早めの交換が必須となる。
車検時の検査項目には発炎筒の有効期限までは含まれていないため、これによって即車検落ちということにはならないものの、検査官によって緊急時に使用できないと判断されれば、不合格になる可能性も十分にありうる。
なお、有効期限切れの発炎筒を処分する際には、発火する可能性を考えて十分な注意が必要。
クルマの車検や定期点検時など、新品と交換するタイミングでディーラーなどに処分をお願いするのが手っ取り早いが、カー用品店やガソリンスタンド、ホームセンターなどでも回収している場合があるので、近くに対応してくれる店舗がある場合は相談してみよう。
ちなみに使用済みの「発炎筒」であれば、しばらく水につけてから燃えるごみとして処分することが可能だ。
【画像ギャラリー】ご注意を! 発炎筒には使用期限があります(7枚)画像ギャラリー■点火式と比較してメリットの多いLED式発炎筒
いっぽうでここ最近登場し注目を集めているのが有効期限のないLED式の発炎筒だ。
便宜上「発炎筒」とはいわれているものの、こちらは火が出るわけではなく、搭載されるLEDを内蔵の電池を使って発光させるもので、「非常信号灯」がその正しい名称。
点火式の「発炎筒」と比較して、連続して約8時間もの長時間の発光が可能なうえ引火ややけどの心配がなく、煙が出ないためトンネル内でも使用が可能。
さらに雨天時に湿気って火が着きにくくなるという心配がない点や、電池を交換すれば繰り返し使用できるなど、そのメリットは多岐にわたる。
登場して間もない頃は価格の高さがネックとなっていたものの、現在では比較的リーズナブルに購入できるものも多く出回っており、導入へのハードルは大きく下がっているといっていいだろう。
ただし、購入時はその製品が車検に対応する保安基準に適合したものである点は必ず確認しておきたい。
LED式の発炎筒(非常信号灯)で唯一気をつけておきたいのが電池切れの可能性だ。
いざ使おうとしたら入っている電池が切れていた! なんてことにならないよう、グローブボックスなどに予備の電池を常備しておくと安心できる。
これからのカーライフにおいて、できることなら使う機会が訪れないことを祈りたい「発炎筒」。
とはいえ万一の際に慌てないよう、自分のクルマのどこに「発炎筒」が備わっているかや、その使い方、有効期限が切れていないかなど、この機会にぜひ一度チェックしておきたい。
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