■トヨタ最高顧問豊田英二氏死去 またひとり大事な人が亡くなった
豊田英二さんがいなければ、トヨタはこんなに大きな会社になっていなかったろうね。
豊田自動織機製作所からトヨタ自動車工業に分離独立した戦前から、社長の豊田喜一郎氏の右腕となって支えたのが豊田英二さんでした。戦後もトヨタはそれほど大きな会社じゃなくて、トラックのトヨエースが有名なくらいでした。
その後1955年にクラウンが生まれ、印象が変わります。ノックダウンで自動車を作るのが当たり前の時代に純国産で誕生したのだから驚きました。カローラが日産のサニーを販売台数で抜いてトヨタの躍進が始まります。
カローラの発売は1966年ですから当時豊田英二さんは副社長だったと思います。若いエンジニアを米国に修行に出していましたが、今思うと輸出を考えていたんでしょうね。国内だけでなく世界で通用するクルマ作りを目指してらしたんだね。
1967年から15年間社長をやられてGMとも手を結ぶなどドル箱になる北米のマーケットを開拓した功績は大きいと思いますよ。
私も何度かお話しさせていただきましたが、温和で柔らかい口調が印象的で「自動車を作るのは難しいものです」とおっしゃっていたのが印象的です。
惜しい方を亡くしました。
【画像ギャラリー】御大・おおいに怒る!! 燃費問題にガソリン価格……世の中筋の通らないことが多すぎる! 三本和彦の「多事争論2013」(10枚)画像ギャラリー■自動車取得税廃止の代替財源に軽自動車増税か? 軽自動車をいじめちゃいけません
消費税が10%になる2015年のタイミングで二重課税の批判があった自動車取得税の廃止が決まっていますが、その代替財源として軽自動車税の引き上げが検討されているそうです。
役人というのは小賢しいもので、取りやすいものから取ろうと考えます。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉でもアメリカから軽自動車が優遇されすぎているという批判があることだし、「ちょうどいいや」というところでしょう。
これにかみついたのがスズキの親分、鈴木修会長です。
「(軽自動車税の増税は)弱いものいじめではないか」と批判していますが、本当にそうだと思うね。確かに軽自動車税は自家用で年間7200円しかしませんよ。1.5Lなら年間3万4500円だから約5分の1です。でも田舎に行ってご覧なさい、ボクのようなジジイやババアしか住んでいない過疎地域がたくさんあります。
そこでは軽自動車は本当に足なんです。日々の買い物や通院、年金を受け取る郵便局にもクルマがないとどうにもならないんです。極端なはなし、屋根があって走ればいいという人もいるでしょう。だから値段が安くて維持費のかからない軽自動車が選ばれるんですよ。
日本の役人どもは、アメリカのTPPの役人を連れて、過疎の地域に行き日本で軽自動車がどんな使われ方をしているか見させりゃいいんだよ。
そうすれば、「弱いものいじめ」が最も恥ずべきことだと教育されている正義感の強いアメリカ人さんにかぎって、軽自動車の増税を求めたりはしなくなると思うけれどね。
【画像ギャラリー】御大・おおいに怒る!! 燃費問題にガソリン価格……世の中筋の通らないことが多すぎる! 三本和彦の「多事争論2013」(10枚)画像ギャラリー■まとめにかえて
日本人は忘れっぽく、都合の悪いことには目をつむりたがるものですから、どんどん問題が先送りされてしまいます。東京オリンピック開催決定を機会に、少し欧米人に見習ってものごとを直視し、筋の違うことにはちゃんと「おかしい」といえるようになりたいものです。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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コメント
コメントの使い方今それを実践してるのが、豊田章男さんだよ。トヨタ毛嫌いしてる井上久男なんか世の中、先みてない第一人者。物を作れば金が動く。金が動けば人も動く。