■有機ELディスプレイとレクサス並みの配慮のシートに感動
外観に負けないほどスッキリしたインテリアは、温もり感のあるベージュ基調でまとめられており、ダッシュボードなどには布地を連想させる再生ポリエステル素材を用いている。
コックピット中央に備わる直径240mmの有機ELディスプレイは劇的に変わったポイントのひとつ。今回からフルデジタル表示となり、ナビゲーションや車両設定は基本的にこちらで行うことになる。
慣れないうちは不便に感じるが、インテリジェントパーソナルアシスタントが備わるため、音声での操作や設定ページを呼び出すことも可能だ。なお、ミニクーパーCにはサラウンドビューシステムを含むパーキングアシスタントプラスがオプションでも装着できない。一般的なバックモニターしかないので、その点には注意が必要だ。
3ドアモデルといっても2名分のリアシートがある。せっかくなら座ってみようということで、前席の肩口にあるレバーを引いた瞬間、自動でシートが前にスライドした。後席にアクセスしやすくするためだが、レクサス並みの配慮に思わず感動してしまった。
ベスキンと称する合成皮革シートに身を預けても何ら不満はない。無論、頭上周りはキツいが、膝前空間は多少の余裕があり、座面長なんてその辺のBセグハッチバックを凌ぐ長さが確保されている。ドアサイド側にはアームレストもあるし、小一時間程度なら座っていられるなと確信した。
ラゲッジ容量はフル乗車時で210L。さすがにこの状態では買い物袋を3つ程度しか積めない。一方、シート可倒時は725Lに拡大し、これなら多少の無理をすれば大きな荷物を積み込めるだろう。また、デッキボードの高さ調整機能が付いており、上段にセットすればシート側とフラットになる。こういったところは「さすがBMW製」と感じた。
【画像ギャラリー】10年ぶりに生まれ変わった[新型ミニクーパー]の進化ぶりは凄かった!! 写真をチェック!!!(8枚)画像ギャラリー■走りの進化は?
走り出して気になったのは速度の表示領域。センターディスプレイ上部にいちいち視線を送るのは安全上の観点から如何なものかと思った。しかし、実際にはステアリング奥にヘッドアップディスプレイが仕込まれており、ここで運転支援システムやナビゲーション案内などの各種情報とともに速度も確認できる。
このセグメントでは珍しいアクティブシート付き。いわゆるマッサージ的な機能で、長時間座るようなシチュエーションではありがたい。パワートレーンは156ps/230Nmを発生する1.5L、直3ターボ。1280kgの車体を引っ張るには十分すぎるうえ、東北道の120km/h規制区間を上限で走ってもへっちゃら。
ミニの代名詞であるゴーカートフィーリングは4代目でも味わうことができる。ステアリングを切った瞬間に遅れることなくヒトとクルマが一気に動く。アジリティが高いとはまさにこのことだ。MINIエクスペリエンスモードでGO-KARTモードを選ぶと、「ヒャッハー!」というサウンド演出が入り、走りを一層楽しませてくれる。
唯一の残念ポイントは「C」にパドルシフトがないこと。キレのいい7速DCTゆえに手元で操る歓びも味わいたいところ。運転支援システムはストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールのほか、ステアリングレーンコントロールアシストも装備。日本の法定速度をフルカバーし、違和感のない制御だから安心安全に高速移動を行えると感じた。
次世代モデルと謳うだけあって、全てが大きく変わった4代目。ただし、ミニらしい乗り味は継承されていたので安心した。マイノリティになりつつある純ガソリン車という選択肢も悪くない。興味がある方はぜひ一度ご試乗を。
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