違反したら2点9000円!!! 横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるのに一時停止しないクルマが半分以上いるのはどうして???

違反したら2点9000円!!! 横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるのに一時停止しないクルマが半分以上いるのはどうして???

 信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに、一時停止しないクルマが多いのはなぜだろうか? ドライバーがクルマのほうが偉い、クルマのほうが優先と思っているからだろうか? それとも歩行者が遠慮しているからだろうか? なんとJAFが全国調査したところ、約半数のクルマがいまだ停まらないという。横断歩道を渡ろうとしている歩行者が優先で、一時停止しないと違反になるということを知らないのだろうか?

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真=Paylessimages@Adobe Stock)

【画像ギャラリー】横断歩道を渡ろうとしている人がいたら一時停止!!! 歩行者妨害違反になるので必ず停まるべし!!!!(7枚)画像ギャラリー

信号機のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいたら一時停止!!!

歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたら当然、クルマ側が停止して譲らねばならないということは全ドライバーの鉄則であるのは言うまでもない
歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたら当然、クルマ側が停止して譲らねばならないということは全ドライバーの鉄則であるのは言うまでもない

 最近、都内の道路を走行中、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるのにクルマが停まらないで走り去る光景を目にする。なかには、こちら(筆者)が一時停止しているのに、反対車線のクルマが一時停止せず何食わぬ顔で通り過ぎることもある。

 以前に比べると、停まるクルマが増えていると実感はするものの、それでもまだ停まらないクルマがいるのか、という感じることが多い。

 では、実際はどうなのか、昨年、JAFが全国で実施した「信号機のない横断歩道における歩行者優先についての実態調査」を見ると非常に興味深い結果が出ている。

 調査は、2024年8月7~28日、各都道府県で2ヵ所、全国合計94ヵ所において、信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両6647台を対象に実施。

 そのうち、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止したクルマは3525台(53.0%)で過去最高となり、前年の調査時と比べて7.9ポイント増加し、41都道府県で停止率が上昇するなど、増加傾向にあることがわかった。

 反面、いまだに約半数のクルマが一時停止していないということになる。

 では横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるのに、一時停止せずにそのまま走り去っていった場合、法規ではどうなるのか? 横断歩行者等妨害等違反となり罰則は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、反則金は9000円(普通車)、点数は2点となる。歩行者が横断歩道前に立っていた場合でも捕まったケースがあるので要注意。

全国平均一時停止率の経年推移(2016年~2024年)。出典:JAF
全国平均一時停止率の経年推移(2016年~2024年)。出典:JAF

 全国一時停止率を細かく見ていこう。2016年にはたった7.6%だったが、年々増加傾向にあり、2021年には36.0%、2022年39.8%、2023年45.1%、そして2024年には53.0%となった。

 ここまで停止率が増えたのは、東京オリンピック&パラリンピックに向けて警察庁が全国の関連機関に向けた通達によって、各警察署の啓蒙活動によるドライバーの意識の高まり、さらには交通取締りが強化されたことが大きい。横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は、令和5年中は約31万件で、令和元年の約1.4倍となっている。

■横断歩道における一時停止率の高い都道府県TOP5
長野県=87.0%
石川県=80.9%
岐阜県=75.2%
熊本県=74.8%
福岡県=74.3%

■横断歩道における一時停止率の低い都道府県TOP5
富山県=31.6%
北海道=34.1%
福井県=34.7%
茨城県=35.2%
和歌山県=36.2%
※東京都=38.7%、大阪府=40.4%

野県では横断歩道を渡り終えた子供たちが一時停止をしてくれた車に対してお辞儀をする習慣があるという。一時停止はルールではあるが運転する側も心温まる習慣だ(milatas@Adobe Stock)
野県では横断歩道を渡り終えた子供たちが一時停止をしてくれた車に対してお辞儀をする習慣があるという。一時停止はルールではあるが運転する側も心温まる習慣だ(milatas@Adobe Stock)

 一時停止率が高いのはダントツ1位の長野県。なぜここまで長野県では横断歩道でのルールがしっかり守られているのか、長野県警の交通企画課の担当者によると「交通取り締まりや交通安全協会のボランティアによる街頭での活動が行われているのは他の都道府県と変わらず、特段これという要因はない」そうだ。

 だが、長野では子供の集団登下校の際、横断歩道で道を渡り終えたら、クルマを止めて待っていてくれたドライバーに子供がお辞儀をする習慣があるという。「いつから始まったか調べてみてもはっきりとはわからないが、この習慣は30年以上続いているのではないか」とのこと。

 つまり、長野県では、横断歩道上で歩行者とドライバーがコミュニケーションをとるという習慣が、長い時を経てしっかり根付いており、それが一時停止率の高さにつながっているようだ。

 また、横断歩道でのルールやマナー向上のための動画を県警交通企画課がYouTubeにアップしたり、県と県警合同でキャッチフレーズ募集のキャンペーンを行うなど「全国に誇れる長野の交通マナー」を県民にアピールして、交通事故を減らすための努力が行われているという。

次ページは : 運転者の正しい交通ルールとは

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