えぇマジか三菱!! とんでもないレベルで進化した[アウトランダー]

えぇマジか三菱!! とんでもないレベルで進化した[アウトランダー]

 2024年10月にマイナーチェンジを受けた三菱 アウトランダー。「これを“マイナー”チェンジと言ってしまっていいのか?」と心配になるほどの大進化を遂げた。2024年の年の瀬、鈴木直也氏に試乗レポートしていただいた!!

※本稿は2024年12月のものです
文:鈴木直也/写真:中里慎一郎、三菱
初出:『ベストカー』2025年1月26日号

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すべての洗練度が大幅に高まった!

2024年10月にマイナーチェンジを受けた三菱 アウトランダー。もはや「全面刷新」といって差し支えないほどの大改良だ
2024年10月にマイナーチェンジを受けた三菱 アウトランダー。もはや「全面刷新」といって差し支えないほどの大改良だ

 最近のクルマはモデルチェンジサイクルが長くなっているから、その分マイナーチェンジで気合の入った改良が行われる。

 今回試乗したアウトランダーPHEVの新型はまさにそれ。外装のリフレッシュなどはセオリーどおりのマイナーチェンジだが、内容を詳しく見てゆくと「こりゃスゴイ!」。とにかく、力の入れ具合にビックリさせられる。

 まず注目すべきはバッテリー容量が増えことだが(20.0→22.7kWh)、これを単なる“増量”と考えたら大間違いだ。

 セルそのものの改良(内部抵抗30%減)や冷却性能50%向上などが大きく寄与して、単位時間あたり出力で60%、トータルシステム出力で20%のパワーアップを実現。航続距離の延伸とあいまって、これはもう「バッテリー系を一新した」というほどの進化である。

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エンジンの存在感がさらに希薄に

EV走行がとにかくパワフル。首都高での追い越し加速でも、エンジンを始動せず前走車をパスしてしまった
EV走行がとにかくパワフル。首都高での追い越し加速でも、エンジンを始動せず前走車をパスしてしまった

 試乗してまず気づくのは、以前よりさらに「エンジンが全然かからないねぇ!」ということ。

 試乗車はバッテリー残量70%程度からスタートしたから市街地では基本的にEV走行となるが、首都高速レベルの速度域で追い越し加速を試みても、エンジンを始動せず前走車をパスしてしまうケースがほとんど。

 従来モデルでも、バッテリーを使い切ってやっと「ああ、エンジンかかるんだ」と思い出すくらいだったが、新型のエンジンはさらに黒子に徹底していて、とにかくその存在を感じさせないのだ。

 バッテリー出力アップによるEV加速性能の向上については、資料によると「0→100km/hで2秒短縮」とあるが、むしろ日常使いのドライバビリティのよさが好感触だ。車重(約2.1トン)を意識させず、意のままにスイスイ加速する。

 ざっくり総評すると、ドライバーの意思に忠実で力強いドライバビリティと、硬質ながらバタつきのない質の高い乗り心地が最も印象的。大柄なSUVながら乗ってみるとその走りは洗練された都会派のサルーン並みだ。

 ついでに、生真面目な三菱技術陣らしく「バッテリーパック容積が大きくなったのですが、最低地上高200mmは譲れないので、フロアのプレス形状を変更して対応しました」というエピソードも、三菱ファンとしてはグッとくるポイントだよね。

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バッテリーは20.0kWh→22.7kWhに大容量化&EV航続距離は87km→102kmに拡大

三菱開発陣の涙ぐましい努力によりバッテリー容量とEV航続距離がアップ
三菱開発陣の涙ぐましい努力によりバッテリー容量とEV航続距離がアップ

 バッテリーは容量アップに加え、内部抵抗を30%低減、冷却性能を50%高めるなど、内部構造も見直したことでバッテリーパック本体の形状がやや大きくなった。

 最低地上高200mmキープするためフロア形状を一部設計変更して対応。EV航続距離は87kmから102km(Mグレードは106km)に延びた。

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