レギュラーガソリン200円/L時代も現実味を帯びてきた昨今。高止まりするガソリン価格に対し、トリガー条項の発動など今こそ政治の力が求められている一方、我々庶民ができる自営手段は無駄な燃料消費を抑えたエコドライブだ。愛車がカタログ値どおりの燃費が出せない理由はあなたの走り方にあるのかも?
文/藤井順一、写真/写真AC、Adobe Stock
約10%の燃費改善! ふんわりアクセルしか勝たん
トヨタによるハイブリッド車の登場により自動車の燃費は飛躍的に向上した。
今や市販車随一の好燃費を誇るトヨタ・ヤリスの燃費は36km/L(WLTCモード)。“高速なら10km/L走るから燃費はそこそこ”なんて会話が当たり前だった昭和平成のクルマを知る世代には隔世の感だろう。
ただし、せっかくのエコカーであっても、それを操るドライバー側の運転法や心がけ次第ではポテンシャルを発揮することができない。
逆に言えば運転で燃費は良くも悪くもなりうるというのはドライバーなら経験的におわかりだろう。
運転で燃費を向上させる最も効果的な方法は急加速、急発進を控え、おだやかにアクセルを踏み込むことだ。
国と自動車関連団体により1997年に発足した「エコドライブ普及推進協議会」が提唱した“エコドライブ10のすすめ”によれば「(クルマを発進させる際)最初の5秒で、時速20km程度が目安」を基準としたやさしい発進「ふんわりアクセル」を心がけるだけで、10%程度燃費が改善するのだという。
信号待ちから青になった瞬間、アクセルベタ踏みの「シグナルダッシュ」、いわんや空吹かしなど、燃費走行においては愚の骨頂というわけである。
5秒で時速20km、レスポンスの良い現代のクルマには相当ゆっくりに感じそうだが、重要なのはアクセルを踏み込む際はゆっくり、できるだけ一定量を踏むということ。
時速20kmを超えたあたりからは徐々にアクセルを踏み増すことで、燃料消費の大きい発進時の燃費を抑えながら周囲のクルマの走行ペースにも十分についていける。
燃費に直結する発進加速を回避するという意味では、十分な車間距離をとり一定速度で走ることも重要。
車間距離が詰まると加速や減速の機会が増え、市街地で2%、郊外で6%燃費が悪化するといわれる(日本自動車工業会調べ)。
また、前方の赤信号や先行車両の詰まり具体を確認して早めにアクセルをオフ、惰性での走行やスムーズに減速することで余計な加減速を防ぎ、停止せずに信号が青になる確率が増すことも燃費向上につながるテクニックといえる。
上り坂の途中で失速してアクセルを踏み増すのではなく、坂を上る手前から加速することやシフトダウンで一定のアクセルワークで上るといったことも有効だ。
AT車の場合なら合流加速でキックダウンさせずに走行車両の巡行ペースにのせるのもいいだろう。
ちなみに、近年搭載が進むアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は、高速走行時のアクセル操作が一定となるため燃費の向上に寄与するといわれる。
「JAF(日本自動車連盟)」のユーザーテストによれば、高速道路でのACCの使用の有無でACC使用のクルマが最大12%も燃費が向上したと報告されている。高速道路の利用が多いドライバーなら燃費アップにACCは欠かせない装備といえるかもしれない。
ただし、アクセルワークを意識するあまりエンジン特性を無視し、できるだけ高ギア、低回転で走れば短期的な燃料消費量は少なくなっても、エンジン効率の良い運転にはならず、中長距離ではかえって燃費を悪化させてしまうこともある。
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コメント
コメントの使い方果たしてこの記事は何年前に書かれたのだろう。このエコドライブの結果はそのままハイブリッド車に適用可能なのだろうか?ACCはアクセル一定ではなく車速や車間距離が一定なのに…大丈夫なのだろうか?