2月25日、欧州トヨタが突如1枚の画像を公開した。真っ暗な背景に浮かび上がるのは、クロスオーバー的なルーフラインとプリウス的なハンマーヘッド顔。3月12日に登場が予告されるこのクルマはいったいなんだ?
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車
クラウンクロスオーバーにそっくりなルーフライン
画像と同時に公開された欧州トヨタのニュースリリースには「エキサイティングで驚くべきまったく新しいBEVを公開」というタイトルが付けられている。そこに続くテキストは以下の通り。
「洗練されたスタイリッシュなクーペデザインと、優れたドライビングダイナミクス、驚くべきスペース、快適性、多用途性を兼ね備えたこの新型バッテリーEVは、強い感情的魅力を備え、顧客に幅広い選択肢をもたらす製品を生み出すトヨタの伝統にインスピレーションを受けています」
もう一度画像を見てみよう。真横から撮られたボディは、右端にプリウスのようなハンマーヘッド顔のライトが見える。そこからボンネットのハイライトが左へ伸び、そこから分岐するルーフラインとウインドウ下端のショルダーライン、ドアノブがうっすらと映っている。
ルーフラインはハッチバック状の弧を描き、そのままテールライトへと繋がる。いっぽうショルダーラインはリアドア途中で一段キックアップし、これもテールライトへと合流する。現行モデルでいえば、クラウン クロスオーバーのウインドウグラフィックにそっくりだ。
実はトヨタは画像といっしょに動画も公開した。そこではもう少しディテールに迫ることができるのだが、それによればリアのウェストライン部分に深い切れ込みが入り、一文字状のテールライトがその上に浮かぶように載り、さらには小ぶりのテールスポイラーが装着されていることが分かる。実にモダンでスリークなデザインだ。
【画像ギャラリー】細部も丸見え! 期待で胸が膨らむ新型BEVの姿はここから!(8枚)画像ギャラリー発表は3月12日朝8時1分!
いったいこのクルマはなんだろう。過去に発表されたプロトタイプなどを付け合わせていくと、比較的容易に似たモデルを見つけることができる。2024年4月に、トヨタが北京モーターショーで初公開した電動クロスオーバーSUV「bZ3C」がそれだ。遡ることさらに1年、2023年4月の上海モーターショーで「bZスポーツクロスオーバーコンセプト」として発表されたクルマの進化形である。
bZ3Cと今回のクルマは、なにより優雅なルーフラインと6ライトのウインドウグラフィックがそっくり。いっぽう切れ込みが入ったリアフェイスとドアノブ形状などは異なっているように見える。
疑問もないわけではない。なによりbZ3Cはトヨタの中国合弁である「一汽トヨタ」が手がけるクルマなのだ。一汽トヨタの車体をそのまま欧州で発売するとは考えにくい。
と悩んでいたら気になるニュースを思い出した。実は昨年暮れ頃から「トヨタがbZシリーズをリブランドする」という噂が流れているのだ。そこから類推すれば、欧州でデビューするこの新車はbZ3Cそのものではなく、基本コンポーネンツを共有する兄弟車的なクルマなのではないかとも考えられる。
いずれにしろ3月12日、中央ヨーロッパ時間の午前0時1分(日本時間の同日午前8時1分)に、このクルマの正体が明らかになる。日本への導入なども期待しながら、発表を楽しみに待ちたい!
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