モーターホームやトラベルトレーラーと呼ばれる、日本でいうところのキャンピングカーは意外と歴史があり、様々な愉快なクルマが存在していた。コアなファンも多いこのカテゴリーだが、マニアが喜ぶ1台が発見された。住宅建設会社が手がけたという4×4モーターホームだ。
文:古賀貴司(自動車王国) 情報元:Facebookマーケットプレイス
【画像ギャラリー】仕事がプロすぎ!! 住宅建設会社製のガチすぎなキャンピングカーの全貌(8枚)画像ギャラリー現在のブームを生み出したモーターホーム
現代のキャンピングカーブームに先駆けること半世紀、1970年代にオフロード走破性と居住性を兼ね備えた稀有なモーターホームがあった。その名は「Champion Woodsman」。
僅かな生産台数と卓越した性能で、今なお熱狂的なファンを持つ。そんなモーターホームがFacebookマーケットプレイスに出品されていた。アラバマ州ペル・シティからの出品で2万5,000ドルの希望売却価格が提示されていたが、物々交換や価格交渉には柔軟に応じる、とも記されている。
Champion Woodsmanは、1975年に登場した真の4×4モーターホームだ。アルミとステンレススチールで建造されたボディは、耐久性と軽量化を両立。ダッジ・トラックシャシーを基盤とし、モパー製318立方インチ(約5.2リットル)V8エンジンを搭載した本格派だ。
陸路での長期旅行「オーバーランディング」という言葉すら一般的ではなかった時代にあって、Champion Woodsmanは現代のオフロードキャンピングカーの先駆けとも言える先見性を持っていたわけだ。
ミレニアル世代やソーシャルメディア、パンデミックによるオフグリッドライフスタイルのブームが到来する遥か以前から、その可能性を示していたのだ。
【画像ギャラリー】仕事がプロすぎ!! 住宅建設会社製のガチすぎなキャンピングカーの全貌(8枚)画像ギャラリー自然を満喫したい人々が産んだ旅のスタイル
興味深いことに、Champion Woodsmanを製造した「Champion Homes」は、本来RVメーカーではなかった。
1953年にミシガン州で設立されたこの会社は、北米最大の住宅建設会社の一つとして、製造住宅やモジュラーホーム、モバイルホームを専門としていたのだ。
しかし1970年代初頭、同社はモバイルホーム建設で培った経験を活かし、トラベルトレーラーとモーターホームの製造へと製品ポートフォリオを拡大。
さらに80年代には、バスもラインナップに加えた。これらの事業は90年代半ばには終了したものの、Champion WoodsmanのようなRV界に革新をもたらした車両を生み出した功績は大きい。実は、キャンピングカーの歴史は意外と古く、19世紀終盤のイギリスにまで遡る。
中流・上流階級が馬車で牽引する幌付きワゴンを使用したのが始まりだと言われている。アメリカでは自動車の大量生産と共に、牽引式キャンピングトレーラーが普及していった。
19世紀末には既に自然愛好ムーブメントが流行しており、時間に縛られる列車での移動や、狭く費用がかさむホテルを嫌い、自然を満喫したい人々がこぞってキャンピングカーを購入したという。
日本では「キャンピングカー」と呼ばれるものが、アメリカでは「モーターホーム」や「RV(リクリエイショナル・ヴィークル)」と呼ばれ、その歴史は深い。
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