2014年11月に逝去した自動車評論家、徳大寺有恒。ベストカーが今あるのも氏の活躍があってこそだが、ここでは2014年の本誌企画「俺と疾れ!!」をご紹介する。(本稿は『ベストカー』2014年3月10日号に掲載したものを再編集したものです/著作権上の観点から質問いただいた方の文面は非掲載とし、それに合わせて適宜修正しています)。
■世界経済の見通し
正月休みが終わり、日々の暮らしが始まった。今年も様々なクルマが誕生するであろう。膨大な数の日本車が世界へ売られていき、そのおかげで、私のようなものが能書きをいっていられるのだ。
ごくごく普通のクルマから、ゴテゴテのクルマまで日本は多くのバリエーションを持っている。それがけっこう世界で売れるから御同慶の至りである。もっともこれが、ばったり売れなくなるとまるで恐慌である。大恐慌は現代では起きないことになっているが、規模の小さいものは現代でもけっこう起きている。世界的な銀行がやっていけなくなっている。
現代ではドルを始め、円もユーロも通貨政策は国家が行っているが、この通貨システムが壊れると、経済はめちゃくちゃになる。世界的な銀行も破綻してしまうだろう。そうならないのは、世界の国と銀行がそうはさせじと対策を施しているからだ。
世界恐慌が起きた1920年代はこれが崩れた。アメリカの株価の大暴落によって信用不安が起き、世界恐慌を生んだ。
ま、人間は学ぶこともできるし、次に備えることもできる。だから、1929年の大恐慌が再び起きることはないが、規模が小さい不況は、世界中で起きている。つまりきわめて、リスキーなこの世の中なのだ。そうはいっても、ドルも円もユーロも世界中に流通している。そして、それらの金、マネーは国の信用で取引されている。
小国が高金利政策をとったとする。投機マネーが小国に流れ銀行には大量のマネーが流れ込み、その小国は一時的に豊かになるが、仮に大国で金融不安が起きると、一気にマネーが引き上げられ、各銀行は資金繰りに困り、債務超過を引き起こすことになったりする。
経済は生き物であり、リスクを伴うものである。アベノミクスによる経済の右肩上がりが続くことを願いたいが、4月の消費税アップで、自動車販売が落ち込むと予想されている。まずは仕方のないところであろうが、世界的には日本メーカーがいいクルマを開発することで、日本車のシェアをまだまだ伸ばしてほしい。
■マツダのディーゼル

(マツダ アクセラのハイブリッドやディーゼルの評判に注目した読者の方からの、次期ロードスターにも期待ができるのではないでしょうか、例えばディーゼルエンジンを搭載するプランがあればいい組み合わせになると思うのですが、どう思われますか? という声に)
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マツダは面白いメーカーです。アクセラは予想以上にいいクルマでした。ディーゼルがいいので、私も食指が動いています。あのクラスに本格ディーゼルを搭載した点を評価したいと思います。ガソリンやハイブリッドと同列でラインアップしたことは、マツダの自信とやる気を感じます。
●●●さんがおっしゃるように、ディーゼルエンジンでオープンとなればフランスチックですね。
ディーゼルエンジンは低回転型エンジンなので、スポーツカーには向かないと思いますが、耐久レースのようなものには大いに可能性があるでしょう。
ディーゼルエンジンの可能性を広めるためにもマツダには様々なクルマに搭載してもらいたいですね。私もデミオクラスにディーゼルがあれば、とてもいいなと思います。
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