スバルらしさ全開の新型[クロストレック]が完成度高すぎ問題

スバルらしさ全開の新型[クロストレック]が完成度高すぎ問題

 2024年12月に登場したスバル クロストレックS:HEV。スバルが満を持して送り出した、待望のストロングハイブリッドシステム搭載車だ。スバルがこだわったAWDと先進安全装備の実力を、松田秀士氏が徹底チェックした!!

※本稿は2025年2月のものです
文:松田秀士/写真:奥隅圭之、スバル
初出:『ベストカー』2025年3月10日号

【画像ギャラリー】待望のストロングハイブリッドを楽しめ!! スバル クロストレックS:HEVでスバル流HVを堪能!!(24枚)画像ギャラリー

雪上&公道試乗でキビシくチェック!!

2024年12月に登場したスバル クロストレックS:HEV。待望のストロングハイブリッドだ
2024年12月に登場したスバル クロストレックS:HEV。待望のストロングハイブリッドだ

 クロストレック・ストロングHV(S:HEV)で公道を走るのは今回が初めて。しかも八甲田山(青森県)界隈での雪上という、ストロングHVとシンメトリカルAWDを試すには絶好の試乗会だ。

 クロストレックにはe-BOXERのマイルドHVモデルもあるが、e-BOXERストロングHVはトヨタのハイブリッドシステム「THS」をスバル流に改造したものだ。

 トヨタも車種ごとにさまざまなTHSを有するが、今回ストロングHVのベースとなっているのは、クラウンに採用される2.5L自然吸気エンジンのもの。もともとはカムリに採用されていた。

 もちろんエンジンはスバルの水平対向4気筒で新開発された2.5Lエンジン(160ps/21.3kgm)だ。

 キモとなるのは、トヨタ式ではエンジン横置きのFF専用設計だったものを、スバルの縦置きエンジン用にトランスアクスルを新たに造り上げたこと。

 これまでのマイルドHVではCVTだったが、THSはプラネタリーギアを採用するシステムのためCVTは必要なくなる。このあたりがクロストレックの走りにどのような変化を及ぼすのか? しかも雪道。実に興味深いのだ。

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北国の雪道をS:HEVで走る

例年は雪が多い酸ヶ湯温泉近辺だが、2025年は雪が少なめ。とはいえ、わき道に入れば雪道を堪能できる
例年は雪が多い酸ヶ湯温泉近辺だが、2025年は雪が少なめ。とはいえ、わき道に入れば雪道を堪能できる

 走り出しの青森市街地は、意外にも気温が高かったことで道路にまったく雪がない。その市街地走行では信号待ちなどのストップ&ゴーでモーター(119.6ps/27.5kgm)の力強い加速。

 しかもモーター走行の速度レンジが広く、3人乗車だがちょっとしたEVのようにレスポンスがいい。これはおそらく燃費にも貢献しており、これまでのマイルドHVとは明らかに異なる。

 さらに、それなりにアクセルを踏み込めば新開発2.5Lエンジンとのミックストルクのバランスもよくて、ドライバーの要求トルクにジャストな答えでグイグイと加速する。

 このあたり、本家本元のトヨタモデルより心地いいのでは? と感じるほど。昔、マツダもアクセラにTHSを搭載したことがあったが、あの時の感動が蘇る。

 そのまま山道を上ってゆくと気温はどんどん下がり雪も降り始めて念願の雪道に突入だ。

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出力特性と制御がシンメトリカルAWDと相性抜群

S:HEVでは電動コンプレッサーを採用したことで、エンジン停止時もエアコンが作動。寒い日も暑い日もより快適にドライブができる
S:HEVでは電動コンプレッサーを採用したことで、エンジン停止時もエアコンが作動。寒い日も暑い日もより快適にドライブができる

 ここで説明しておかなくてはならないのが4WDのシステム。トヨタTHSはFFベースなこともあり、4WDは後輪用モーターを追加する電気式4WD(E-Four)を採用しているが、スバルには長年培ったシンメトリカルAWDシステムがある。そう、プロペラシャフトでリアタイヤを駆動する方式だ。

 FFベースではあるがホンダのe:HEVも同様にプロペラシャフトで駆動する方式。メリットはより高いトルクでリアタイヤを駆動できるので、豪雪などの不整地走行で安定性が高いのだ。さらに軽量化とコスト削減ができる。

 雪道となった狭い山道で実に軽快な走りを見せる。ドライブモードはノーマルのまま、アクセルを踏み込むと抜群の制御で、不安もストレスも感じさせることなく加速する。

 モータートルクの高さとリアルタイムの制御が素晴らしく、シンメトリカルAWDとの相性が非常にいい。雪道でのコーナー進入時、ステアリングを切り込む時のフロントタイヤの限界域がわかりやすいことも印象的だ。

 さらにクロストレックの最上位グレードにはハンズオフが可能なアイサイトXが装備されている。

 ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)+LKAS(車線維持支援システム)の運転支援システムは優秀で、高速道路の移動でも疲れ知らずだ。特に雪道走行をすると眼を含めた認知機能を酷使するから、帰路の高速道路走行では安全で安心だった。

●スバル クロストレック 主要諸元
・グレード:Premium S:HEV EX
・全長×全幅×全高:4480×1800×1575mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1660kg
・パワーユニット:2.5L水平対向4+モーター
・エンジン最高出力:160ps/5600rpm
・エンジン最大トルク:21.3kgm/4000-4400rpm
・モーター:119.6ps/27.5kgm
・WLTCモード燃費:18.9km/L
・価格:405万3500円

●クロストレック 価格表
・ツーリング(FWD):301万4000円
・ツーリング(AWD):323万4000円
・リミテッド(FWD):323万4000円
・リミテッド(AWD):344万8500円
・プレミアムS:HEV(AWD):383万3500円
・プレミアムS:HEV EX(AWD):405万3500円

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