自動車開発はいつの時代もメーカーの向上心の上に成り立っている。より良いものを作ろうと奮闘する開発陣には頭が下がる。しかし、そんな入魂の技術が進歩・発展していくかは別の話。ここではトヨタ&いすゞの「渾身の技術」をご紹介する。
※本稿は2025年2月のものです
文:片岡英明/写真:トヨタ、いすゞ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
トヨタ/5バルブエンジン
吸排気バルブの開口部を大きくし、バルブの傘部を大きくすれば吸排気をスムーズに行うことができる。が、燃焼室面積やバルブの大型化には限界がある。そこで吸気バルブと排気バルブを2つずつ用いた4バルブ方式が主流となった。
開口部の全体面積を大きくでき、吸排気効率は高いし、燃焼室の中央に点火バルブを置くことも可能だ。
この吸気バルブを3つにしたのがトヨタ(とヤマハ)の5バルブで、三菱もミニカダンガンなどに採用した。だが、燃焼室の形状が複雑になるし、冷却損失も大きいのが普及の妨げとなった。
【画像ギャラリー】試行錯誤が泣かせるぜ!! 後世に語り継ぐべき企業努力・トヨタ&いすゞの肝いり技術(14枚)画像ギャラリーいすゞ/NAVi5
1984年夏にいすゞ アスカに搭載されデビューした「NAVi5」は、自動で変速を行う賢いフル電子制御5速MT(5速セミオートマ)だ。
クラッチの断続から5速MTの変速まですべて電子制御化し、シフトダウン時にはダブルクラッチまで行ってくれる。
先進的なドライビングロボットだったが、当時は制御技術が雑だから、ドライバーの感性や意思とマッチしていなかった。この技術はのちにトラック用の電子制御MT、スムーサーに発展し、高く評価されている。
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