AT車は信号待ちで「N」に入れないほうがいい理由と事情

Nレンジは非常事態に使うもの

 また、「信号待ちでブレーキペダルを踏み続けると右足が疲れる」というケースに関しても、昨今は、ブレーキペダルから足を離してもブレーキをかけた状態を維持してくれる「オートブレーキホールド」を搭載するクルマが増えていますし、誤発進のリスクがあるNレンジを、わざわざ使わなくてもいいでしょう。

 以上のように、Nレンジを信号待ちで使うべき明確な理由は、少なくとも現代のクルマにはありません。ではなぜいまもNレンジが用意されているのかというと、それは非常事態に対応するため。

 たとえば、故障などでクルマが自力で動くことができなくなったとき、駆動系から切り離されたNレンジを用意しておくと、レッカー移動ができたり、人力で押したりするなどで、クルマを動かすことができます。また、ドライバーが体調不良などで意識を失い、アクセルペダルが踏みっぱなしになってしまった場合にも、助手席側からNレンジに入れることで、速度が上がっていってしまうのを防ぐことができます。

 信号で停止する際はDレンジで待機し、長くなりそうな場合もNレンジではなく、オートブレーキホールドを利用するか、Pレンジを活用するようにしましょう。

Nレンジを信号待ちで使うべき明確な理由は、少なくとも現代のクルマにはない。信号で停止する際は、Dレンジのまま、待機しよう(PHOTO:Adobe Stock_show999)
Nレンジを信号待ちで使うべき明確な理由は、少なくとも現代のクルマにはない。信号で停止する際は、Dレンジのまま、待機しよう(PHOTO:Adobe Stock_show999)

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