■カムリ、アコード、キャシュカイは、なぜ海外で売れている?
北米ではカムリやアコード、欧州では日本ではデュアリスのキャッシュカイの販売が好調。日本ではそれほどの人気車ではないのに、海外で売れているのはなぜなのか? ここでも国沢光宏氏に答えてもらった!
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国や地域によってニーズはまったく違う。日本を見てもわかりますね。ノアやセレナに代表される2Lクラスの5ナンバーミニバンって日本でしか市場がない。だからといって海外市場で人気のミニバンを日本に持ってきたってダメ。それと同じことが世界中で当てはまる。
アコードやカムリなど、アメリカのミドルクラスセダンのど真ん中を狙って開発した。結果、日本の2Lクラスミニバンと同じく、アメリカを除くどこの国でも売れないようなクルマになってしまったワケ。中途半端なセダンを作っても売れない。
デュアリスもそう。先代はエクストレイルとローグ(アメリカ市場向け)を完全に作り分け、ヨーロッパ専用にした。そもそも、こういったクルマ作りを得意としてきたので日本車は世界中で売れるようになったのでございます。
プジョーを見たって基本的に同じ車種を世界中に“押しつけて”いる。それじゃ売れるわけない。VWは長い間、世界中共通モデルだったものの、中国やブラジルで専用車を開発。アメリカにも専用車種を投入し始めたらイッキに販売台数を伸ばした。これからのクルマ作りは、いかに地域専用車種を安価に開発できるかが大きなテーマになると思う。
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【番外コラム】日本車でしか味わえない魅力
●バリエーション豊富……世界各国、クルマにはそれぞれ特徴、特色があるなか、クルマのバリエーションの豊富さで日本車の右に出る国はなし。ただ、大量生産、大量消費が前提のクルマ作りゆえ、少量生産で採算が取れるクルマ作りができないので個性的なものが作りにくいというネガはある。
●4WDの設定が豊富……お上の指導の影響もあるが、日本ほど4WDを設定している車種が豊富な国はない。軽自動車から大型サルーンまで199車中、48車が4WDを設定。2WDのみのモデルはハイブリッド車が多い。
●メーカー主導型の通信ナビ……カーナビはアフターで火がついたが、日本のクルマメーカーも早くから着目して現在では、トヨタ、日産、ホンダが通信系ナビをリリース。特にホンダはパイオニアと組んでいることもあり、その情報量は世界一。
●これぞ「おもてなし」!……クルマそのものではないが、日本のアフターサービスはピカイチ! 困った時の対応は素早く正確で、どの国にも負けない。
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)

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