ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は2013年の企画「BC燃費調査隊が行く!!!」より、ベストカー編集部員による、ムラーノとレンジローバー2大重量級SUVの燃費追求実験をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2013年10月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部
ヒトケタ燃費の重量級SUVを上手に乗り実燃費で好数値をマークせよ
隊員1号ワタナベに与えられたミッションは、「JC08モード燃費10.0km/L未満のクルマでいかに好数値をマークできるか!?」である。
ということで1発目のミッションにふさわしいクルマを2台用意。1台は日産ムラーノ350XV FOURだ。
V6、3.5L・DOHCエンジン(260ps/34.3kgm)を搭載するトップグレードで、駆動方式はもちろん4WD。車両重量は1840kgの重量級SUVで、JC08モード燃費は8.7km/Lとなっている。
そしてもう1台は英王室御用達のSUV界の王者、レンジローバー。超高額車である同車のなかでもグレードは最上級となる「オートバイオグラフィー」(価格1670万円!)を用意。
V8、5LDOHCスーパーチャージャー(510ps/63.8kgm)を搭載し、車両重量は2520kgと、ランドローバーの旗艦車らしくスーパーヘビー級のボディを持つ。何より素敵なのがJC08モード燃費の5.3km/Lという数値だ。
さて、この2台についてどうやったら燃費を伸ばすことができるのか。それはもうひたすら高速道路を延々と走り続ける「燃費走行マラソン」しかあるまい、という結論に達した。
そこで、ワタナベはこの2台についてスタート地点(ムラーノは横浜の日産本社、レンジローバーは都内の虎ノ門)からすぐに高速に入り、そこから東名高速に入ってひたすら西の静岡方面へ向かい、帰りは途中で御殿場ICを降り、中央道河口湖ICから都内まで戻ってくる往復約500km燃費走行マラソンを敢行した。帰路で東名から中央道に入るまでは一般道を走るが、ほぼ9割が高速走行だ。
ちなみに2台の走行はエアコンオフ、クルコンオフ、高速での走行速度は原則80km/hという条件を基本的に厳守して臨んだ。両車のテスト日は8月末とはいえ、最高気温32~33度という猛暑だけにエアコンオフはきつかった……。
日産 ムラーノ(2013年8月23日)
まずは日産本社でムラーノを借り受け、さっそく首都高神奈川線へ入る。国産のクロスオーバーSUVではレクサスRXと並ぶ重量級だけに、その乗り味はさぞかし重厚なのかと思いきや、意外にもライトで軽快さすらあった。途中、保土ヶ谷では雷鳴を伴うゲリラ豪雨に見舞われ、フロントの視界がほぼ効かない危険な状態に。エアコンが使えないのはこういった時はツラいな、と。
とは言いながら、このムラーノは日産伝統のVQ35DEエンジンを搭載し、トルク方向に振った特性のためか、低回転から非常にトルクが厚くて流れに乗りやすかった。
雨も小降りになり、横浜町田インターから東名高速に入ってからはグングンとオンボードの燃費数値を向上させていく。渋滞区間のあった首都高神奈川線で7km/L台だった数値は、みるみるうちに10km/Lを突破していった。
大井松田ICから御殿場ICまでの上り坂区間は重量のあるムラーノにとっては厳しいところで、テスト日が週末の金曜日ということもあってトラックなどもバンバン走っていた。なかなか80km/h走行をキープできない条件ながら、なんとか10km/L台を維持。
御殿場JCTからは新東名に入り、ひたすら西進。流れもほどよく、80km/h走行をキープできたおかげか、オンボードの数値は藤枝岡部ICを降りるまでの間に最高の14.1km/Lを一時マークした。こりゃ期待できそうだ。
帰路も新東名~御殿場ICまではおおむね好調で13km/L台をキープ。御殿場ICで降り、一般道から東富士五湖道路、河口湖ICから中央道に乗って一路都内へ向かったが、夕方から夜にさしかかっていたため小仏トンネルから20km以上の大渋滞に見舞われた。結局、12.3km/Lでフィニッシュ。堂々のJC08モード達成率141%だ。








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