現場の元気と堅実な財務が経営陣の迷走を補完するホンダ
国沢:ホンダって、三部さんが社長になってから決めたことって、カナダの電池工場をはじめ、ひとつも上手くいってない。
その反面で「エンジンの開発は終了」と言いながら、現場は1500ccのHEV用エンジンなんてブランニューで開発してたり、現場がいい意味で言うこと聞かなかったり、力がある。
さらに収益のバランスが四輪、二輪、ファイナンスがそれぞれ三分の一ずつとバランスがいいのに加え、財務がすごくシッカリしてるのもホンダの大きな強み。
鈴木:ただ中国がまったくダメ。特に新しいYe(イエ)シリーズに魅力がない。
国沢:上海モーターショーで実際に見たけど、注目度の低さは深刻だった。
渡辺:ホンダに対しては値付けに関して強く言いたい。
というのも、ホンダってグローバルカーなら国ごととか、軽自動車のような車種群ごとに収支を合わせようとするから、シビック、アコードのように価格が周りよりずっと高いことがある。またN-BOXが現行型になって苦戦してるのも値上げの影響が小さくないと感じる。
国沢:ホンダの「質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」って社是はどこに行ったんですかね(泣)。
鈴木:価格の件を含めて、本田宗一郎さんの存在感、DNAが希薄になってるのはホントに残念。
ストロングHEVという強みを手に入れたスバル
国沢:スバルはストロングハイブリッドが遅まきながら商品化されたし、資金的にも余裕があるから日本、アメリカのどちらかに工場を作ることも可能だし、日本メーカーでは落ち着いているかな。
鈴木:BEVはソルテラがあるけど、それもトヨタとの協業だし、それほど注力しなかったのも今のところよかった。
渡辺:スバルは北米への輸出比率が高いのが、アメリカに何かあった時に不安ではありますね。
国沢:でも、スバルは今の価格にトランプ関税25%を載せても利益が出るくらい利益率高いという面でも体力は強い。
鈴木:さらに、北米でのブランドイメージも高いから、それをマツダが目指して今のようになっているのも、気持ちはよくわかるくらい上手くいってる。
渡辺:スバルは北米で「(クォリティの高い)日本生産車がそれなりにあるのがいい」とよく言われるそうですね。
鈴木:ただ「この先ずっと北米一本足なんですか?」という不安はあるけどね。
国沢:確かに。日本や東南アジア向けに今の物価で200万円台前半のクルマがあったら、スバルはもっと販売が伸びていたかもしれない。
ベストカー:フラット4をフラットツインにしたエンジンを使ったクルマなんて面白かったかもしれませんね。
魅力あるクルマを有し組織の舵取りも順調な三菱
ベストカー:三菱は、大きな台数ではないものの販売の復調に加え、デリカミニが200万円以上、デリカD:5やアウトランダー、トライトンが400万円以上という、平均単価の高さが目を引きます。
国沢:三菱はお客さんが優しいというか、着実に戻ってるよね。
渡辺:デリカD:5はリセールバリューがいいから残価設定ローンも使いやすいし、魅力があるから堅実に売れるのは理解できる。
鈴木:オンリーワンは大事だと。復調してるところで、今後は300万円以下の中間層向けのクルマが欲しいね。
国沢:三菱はタフなイメージでタイ、インドネシア、フィリピンといった東南アジアでの存在感が凄いし、オウンゴールが少なくなかったけど、今の加藤社長が上手くハンドリングしてるのが追い風になってる。



コメント
コメントの使い方何を言っても、ユーザーが欲しいと思った商品を、出せる会社が残っているでしょう。
日産は、自分たちが作りたい車だけしか販売してない、ユーザーを向いてない。
だから、ユーザーからそっぽを向かれている。「殿様商売」の極み。
値引きで気を引こうとしているが、欲しいものが無い。再建は難しい。