トヨタの強さは社長に資質!? 苦戦の他メーカーはどうやって生き延びるべき!? 国産メーカーのぶっちゃけ評価

ムーヴのフルモデルチェンジで再生が期待されるダイハツ

2025年6月5日に発表された新型ダイハツ ムーヴ。ダイハツにとって勝負の一台となる
2025年6月5日に発表された新型ダイハツ ムーヴ。ダイハツにとって勝負の一台となる

ベストカー:ダイハツは、認証不正に対する反省後の狼煙としてムーヴがフルモデルチェンジされました。

国沢:新型ムーヴって、パワートレーンに力入っているのに加え、注目はハイトワゴン+使い勝手のいいスライドドアで中心価格が150万円程度と、N-BOXより20万円は安い点。

 というのも、軽スーパーハイトワゴンの全高の高さが無駄になることも少なくないという認識が広がりつつあるだけに、軽スーパーハイトワゴンを相当食うくらいの破壊力があるように感じている。

渡辺:そこまで影響を与えますかねえ?

ベストカー:「タントに悪影響を与えない程度の上手なアピール」ができると、ムーヴは国沢さんのおっしゃるように爆発的に売れるかもしれないですね。

鈴木:ダイハツはコスト競争力も高いだけに、トヨタグループの新興国担当で存在感を高めているのは自然な動きかなと。

国沢:ミライースでラリーやるようになってわかったけど、ホイールが曲がるくらいガンガン使っても、アームもドライブシャフトもノーマルでまったく問題なくて、ダイハツのクルマって丈夫なのに感心してる。

鈴木:これはトヨタのDNAを感じるね。

身の丈に合った経営方針で堅実に成長するスズキ

北米市場ではなく、インドに注力していたことが奏功したスズキ
北米市場ではなく、インドに注力していたことが奏功したスズキ

鈴木:スズキは、アメリカや中国といった不安のある進出先から、偶然もあるにせよタイミングよく撤退して、よりインドに注力してるのは力強い。

渡辺:インド進出をはじめ、やっぱり鈴木修さんのカリスマ性が強烈だっただけに、俊宏社長の手腕が問われる時期になったかと。

鈴木:僕は俊宏さんはじめとしたスズキの経営陣って、BEVに関して質問しても「当社の体力ではバッテリーの内製は難しいし、流れが固まってから外部から調達すればいい」という返答が返ってくるなど、身の丈に合った考えをしていて信用できる気がする。

渡辺:その意味では、トヨタとスズキは経営陣に創業家が入っているというのは、長期的な責任感という観点でいい共通点だなと。

国沢:でもスズキって、ライダー使ってないのにレーダーブレーキとか、超簡易ハイブリッドを堂々とハイブリッドと表記したり、どうも納得できない部分があるので、個人的には距離を置いているというのが本音。

弱点は納期のみ? 盤石の王者・トヨタ&レクサス

トヨタとの差別化をどうしていくか今後が問われるレクサス
トヨタとの差別化をどうしていくか今後が問われるレクサス

ベストカー:ここまで日本メーカーを語ってもらったところで、今のトヨタに死角ってあるんでしょうか?

全員:う~ん……。

鈴木:昔は少量生産というか趣味性の高いクルマは弱かったけど、今はその種のクルマに一番力入れているくらいだしねえ。

渡辺:納期の長さと、それをある種利用して「KINTOだと入手できる超人気車がある」という点。

国沢:確かにKINTOは商売として納得できない点もあるかな。税金、保険といった維持費込みとしても一般ローンに対し高過ぎるし、ペットを乗せられないし。

鈴木:まあ、吟味したうえで納得できる人にはアリな選択肢ではあるけどね。

ベストカー:レクサスはいかがでしょう?

鈴木:個人的に、いろいろな意味でヨーロッパ車の地盤沈下を感じるだけに、レクサスは短期的ではないにせよ、何年かすると高級車のスタンダードに成長するんじゃないかと思い始めてますね。

国沢:それってトヨタがよくなってるだけに、トヨタでよくないですか? FF系クラウンを筆頭に、レクサスにトヨタとの価格差ほどのありがたみを感じないというか。

ベストカー:プレミアムブランド含め欧米メーカーにとって、信頼性、耐久性はじめいろいろな意味で電動化が向かい風なのを加味すると、結果的な面含め、レクサスの台頭もわかるところはありますね。

*   *   *

ベストカー:では最後に注目の日本メーカーを挙げてください。

鈴木:現行ロードスターを世界自動車遺産に入れたいくらい評価しているのを理由にマツダ。

渡辺:庶民に寄り添っているという観点でスズキ。

国沢:自動車業界を盛り上げるべく、日本の自動車メーカーに全社に頑張ってほしいけど、注目は日産かな。

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