ゲリラ豪雨や台風の影響などによって、大雨に見舞われることが多くなるこの時期。クルマを運転中にバケツをひっくり返したような大雨に遭遇してしまうと、どんなにワイパーを高速にしてもまったく追い付かず、前が見えずに強い不安と恐怖を覚えた、という経験をした人は少なくないでしょう。
特に高速道路を走行中の場合、周囲を走るクルマが巻き上げた大量の水しぶきによってフロントガラスが覆われ、ワイパーを全開にしても前がまったく見えない「視界ゼロ」の状態に陥ることも。そんな「恐怖の瞬間」に直面したとき、私たちはどう行動すればよいのでしょうか。命を守るために覚えておきたい正しい対処法についてご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_ hanafujika/写真:Adobe Stock、写真AC、気象庁
【画像ギャラリー】高速道路で突然の大雨…バシャッと水がかかって前がまったく見えなくなったらまず何をすればいい?(9枚)画像ギャラリーまずは落ち着いて「車線を維持」することを意識して
ドライバーにとって、「命」ともいえる前方視界。その視界が一瞬でも奪われることは、想像するだけで恐怖を感じるものですよね。
しかしながら、咄嗟にブレーキを強く踏み込んだり、慌ててハンドルを切ったりするのは非常に危険。後続車も高速で走行している高速道路での急な減速や進路変更は、事故のリスクを高めてしまう行為です。
大量の水しぶきで視界を奪われてしまった際に心がけたいのは、とにかく「車線をキープする」こと。ハンドルをしっかり握ったままアクセルを少し緩め、クルマの姿勢が不安定にならないように注意しながら、視界の回復を待ちましょう。
速度を落とし、車間距離を十分にとって、第一通行帯を走行
大量の水しぶきで奪われた視界は待てば回復しますが、またいつ同じように水しぶきを浴びることになるかもわかりませんし、そもそもそれだけの水が舞うということは、かなり強い雨が降っている証拠。視界は常に悪い状況のはずです。
そのため、そのような状況に遭遇したら、まずは前走車との車間距離を十分にとって、できれば一番左の第一通行帯を通行するようにしてください。前走車との車間距離をとることで、前走車が巻き上げる水しぶきをある程度回避することができますし、第一通行帯を走行することで、対向車からの水しぶきによる影響も受けにくくなります。
そして速度も安全な速度に調節するようにしてください。豪雨の際に高い速度で走行することは、制動距離が長くなり、スリップのリスクも高まるほか、タイヤと路面との間の生じる水膜によってブレーキやハンドルが利かなくなるという非常に恐ろしい「ハイドロプレーニング現象」に陥ってしまうことに繋がります。
安全な速度で走行することは、周囲に必要以上の水しぶきをかけないことにも繋がります。そのうえで、ヘッドライト(テールランプ)を点灯させ、後続車に自車の存在をアピールしましょう。ゲリラ豪雨は、突風を伴うこともあるので、急な横風にあおられても対応できるよう、ハンドルをしっかりともって運転することも心がけてください。











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