交通違反のなかには、やってしまった本人が思っている以上に厳しい罰則が科せられるものがある。「たかがこれぐらい……」なんて甘く考えていると、痛い目にあう一発アウトの違反とは?
文/井澤利昭、写真/写真AC
【画像ギャラリー】交通違反に逃げ得はあり得ない!(7枚)画像ギャラリー短時間・短距離でも絶対ダメ!! 免許停止中の運転は無免許運転扱いに
交通違反や交通事故による違反点数の累積で科される行政処分として、運転免許証の効力が一定期間停止される、通称「免停」。
違反点数が6点を超えると科される免停処分は、過去3年間の交通違反による点数の累積や、過去に免停などの行政処分を受けたかによって、その停止期間が30日から最大で180日間にまでにおよび、その間はもちろん、クルマの運転をすることができない。
ちなみに違反点数が15点以上となると、免停ではなく免許取り消しの対象となってしまう。
この免停処分は、免停講習こと「停止処分者講習」を受けることで、その期間を短縮することが可能。
仮に免停30日の処分を科された場合でも、運転に対する適正検査や診断、規定の講義、運転シミュレータや実技による指導、講習後の筆記試験などを受け、その成績が認められれば20~29日、免停期間が短縮される。
ここで気をつけたいのが、免停期間が短縮されたことに安心して、その日数がまだ残っているのにもかかわらず運転してしまうこと。
「近くのコンビまでなら……」なんて軽い気持ちで運転してしまうと「無免許運転」としてさらに25点の違反点数が加算され、免許取り消しの行政処分を受けることになってしまう。
免許取り消しとなれば、運転ができなくなるのはもちろん、欠格期間により最低1年間(最長で10年)は免許の再取得ができなくなる。
また免許を再取得する場合も、2日間にわたる「取消処分違反者講習」を受けたうえで最初から自動車教習所に通う必要があり、多くの時間と費用を費やすことになる。
運転免許証を失いたくなければ免停期間が明けるまでは公共交通機関などを利用し、絶対にハンドルを握らないようにすることを肝に銘じておこう。
「かぜ薬」でアウト!? 薬の副作用による危険な盲点
体調がすぐれない時、市販の薬を飲んで対処するということはままあることだが、そのままクルマを運転してしまうと、思った以上に大変なことになる場合も。
市販の薬にはさまざまなものがあるが、こうした薬のなかには、強い眠気や集中力の低下、めまい、目のかすみといった副作用をもたらすものがあり、服用した状態での運転は、大きな事故の原因となりうる。
さらに、こうした副作用のある薬を服用した状態での運転は、道路交通法第66条の「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」という「過労運転等の禁止」に違反することとなり、取り締まりの対象に。
この「過労運転等の禁止」の違反と認められた場合の罰則は思った以上に厳しく、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、さらには25点の違反点数も科されるため、一発で免許取り消しの行政処分となってしまう。
つまり「かぜ薬ぐらいでそんな……」なんて軽く考えていると、運転免許を失う可能性があるわけだ。
もちろんこれは市販の薬に限った話ではなく、花粉症の薬や禁煙補助薬など病院で処方された薬であっても同様。処方薬の場合は医師、もしくは薬剤師から薬の服用後はクルマの運転をしないよう、指示があるはずだ。
それならば眠くならない薬や、体調が悪いのをガマンして薬を飲まず運転すれば?……なんて思う人もいるかもしれないが、こうした考えもあまり関心しない。
前述のとおり「過労運転等」のなかには病気も含まれているため、薬を飲む・飲まないにかかわらず、体調不良時の運転は違反となってしまうからだ。
薬が必要となるほど体調が悪い日は無理にハンドルを握らず、おとなしく安静にしていることが、体のためにも免許のためにもベストな選択と言えるだろう。









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