2025年9月1日、トヨタは同社のコンパクトカー「アクア」の一部改良を発表した。フロントフェイスにプリウス似のハンマーヘッドデザインを採用したほか、時代に合わせたさまざまなアップデートも施されており、大きく進化している。一部改良の内容をご紹介しながら、コンパクトハイブリッドとして一世を風靡した「アクア」の魅力を改めて振り返ろう。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA
【画像ギャラリー】「プリウス顔」へと大変化を遂げたフロントマスクに要注目!! トヨタ新型「アクア」(10枚)画像ギャラリーフロントフェイスが「プリウス」に似た新しいデザインに 装備も充実!!
現行アクアは、2021年7月に登場した2代目モデルだ。ヤリスハイブリッドやヤリスクロスハイブリッドと同じく、リダクション機構付のTHS-II(1.5Lダイナミックフォースエンジン)を搭載し、プラットフォームにはヤリスと同じGA-Bを採用、骨格結合構造の最適化や超高張力鋼板の採用により、大幅な軽量化と高剛性化を実現している。
今回のアクア一部改良の最大の注目点は、フロントフェイスが「プリウス」に似た新しいデザインに一新されたことだ。最上級のZグレードでは、左右のヘッドライトを繋ぐLEDセンターランプが採用され、プリウスとの差別化も図られているが、「ミニプリウス」ともいえるフェイスとなったことは、正統派だったアクアにとって大胆な変更。リアはピアノブラックのガーニッシュ追加という小変更にとどまっている。
インテリアでは、7インチ大型マルチインフォメーションディスプレイが標準装備となった(以前は4.2インチ)。センタークラスター下部には停車中に外部映像を楽しめるHDMI入力端子を標準で備え、最新のコネクティッドナビ対応ディスプレイオーディオは、10.5インチディスプレイオーディオPlusがZグレードには標準装備、Gにはメーカーオプションに。下位グレード(G、X、U)の標準ディスプレイオーディオも従来の7インチから8インチに拡大された。
機能面では、電気式パーキングブレーキとオートブレーキホールドを全車標準装備化したほか、停止直後の車両の揺れ動きを抑えるスムーズストップ制御も追加。車線内走行時に常時操舵支援機能を行うプロアクティブドライビングアシスト(PDA)も採用された。ささやかではあるが、ドアミラー全開時の車幅を30mm縮小し、取り回し性を向上させている点はユーザーにとって嬉しい改良。ボディカラーも「マッドバス」や「グレイッシュブルー」などの新色が追加されている。
車両価格は、X(2WD)が248万6000円(+34万円)、G(2WD)が265万4300円(+36万300円)、Z(2WD)が282万4800円(+25万9800円)と従来よりも価格アップとなったが、細やかな改善が施されたことで、新型アクアは「過去最高の完成度」に達したといえる。
驚異の燃費性能を備えつつ、後席も十分に使えるアクア
「アクア」というモデルの最大の魅力は、絶妙なボディサイズだ。全長4080mm×全幅1695mm×全高1485mmと、ヤリスとプリウスの中間を狙ったバランスのいいサイズ感は初代から変わらず、5ナンバーサイズを堅持している。
もちろん燃費のよさも魅力だ。WLTCモード燃費は33.6km/L(市街地34.3、郊外36.0、高速31.8、Zグレード)と他メーカー車を寄せ付けない圧倒的な燃費性能。筆者が試乗した際も、アップダウンのきつい山坂道でアクセルを踏み込む場面が多かったにもかかわらず、リッターあたり20km近くを記録した。一般道であれば、実燃費でもリッター30kmを超えることも十分に可能だろう。
ただ、同じくコンパクトハイブリッドであるヤリスハイブリッドの燃費は、35.4km/L(2WD Zグレード)とさらに優秀。ただアクアは、ヤリスよりも後席が広く、大人2人が座っても窮屈さを感じにくい。1人もしくは2人での移動であればヤリスハイブリッドのほうがいいかもしれないが、アクアはヤリスハイブリッドに匹敵する「超」低燃費性能を備えつつ、後席も十分に使える、優秀な一台なのだ。














コメント
コメントの使い方デザインが悪いから売れない?当たらず遠からずだね。抑同じカテゴリにヤリスがあり、しかも形式こそ違うがHVもありだ。割れるのも当然と思うが、じゃ~ぁなぜ売れないか?理由は後席に在り。座り心地、局単に吊り上がったグリンライン。トヨタよ、もっと後席大事に。フィツトに負けてる唯一の欠点
ライバル社との比較記事を早く載せていただきたい。
近隣のトヨタ系列のお店に問い合わせたが、チェンジ後の試乗車は9月末ごろと言われてしまった。せめて試乗車準備してから販売してほしいね