クルマのライト全部つけてない？　フォグランプの役割正しく理解できている!?　

　フォグランプ、正式名称を前部霧灯という。このライトを「ただのヘッドランプのひとつでしょ？」なんて思うなかれ。フォグランプは使用すべき状況が決まっているランプなのである。闇雲に点灯させると超迷惑なフォグランプの使い方、改めて確認していきませんか。

文：佐々木 亘／画像：ベストカーWeb編集部、三菱、トヨタ、Adobe Stock

法規で見るフォグランプ

　まずはフォグランプに関する法規を確認していこう。道路運送車両法の「保安基準第33条の2」には次のように記載されている。

　「前部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の前方を照らす照度を増加させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」

　フォグランプというのは、霧や雨・降雪時に視界を確保するためはもちろんなのだが、自身の存在を他車に知らせるために点灯するものでもある。視界不良の際に使用するものだから、霧等が無い場合に点灯すると、他車を眩惑するような特別な光であることも心にとめておきたいところだ。

そもそもライトについてのキマリ知ってる？

　では、夜間のライト点灯について、交通法規ではどう定めているのだろう。「道路交通法第52条」を見ていこう。

　「車両等は、夜間（日没時から日出時までの時間をいう。中略）、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても、同様とする」

　つまり、夜間に点灯するのはスモールランプ（ポジションランプ）・ヘッドランプ・テールランプの３種類であることが明記されている。この中にフォグランプは含まれていないため、霧等ではない晴天時にフォグランプを付けて走るのは、ルール違反ということになるのだ。

　やたらと明るいフォグランプとスモールランプのみで走行することは、無灯火走行にあたり違法行為となる。違反点数1点と反則金6000円の罰則が適用されるので注意してほしい。

理解が進まないフォグランプの役割

　ここまで読み進めていただいた皆様には、フォグランプの役割をご理解いただけたと思う。しかし、実際に世の中の人がどれだけフォグランプについて正しく理解しているかと言われると、「ほとんどいないんじゃない？」と言えてしまうくらい、フォグランプの使い方がなっていない。

　まず、自分がフォグランプを付けているのかどうかを分かっていない人が多い。とりあえず全部スイッチオンにしておけば間違いないだろう的な感覚で、フォグランプを常用している。こういう人の場合、リアフォグまで点灯しているから始末が悪い。

　次いで多いのは、ランプがたくさんついている方がカッコいいからという、いささかどうなのかと思う理由での常用。中には、フォグランプが付いているほうが、明るいから安全などという人もいるのだ。

　こうした人が、ドライバーの中の半数に上るから正しいフォグランプの利用方法は浸透していかないのである。

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