蝶々に四葉のクローバー？　初心者や高齢者じゃなくてなんだろう？　みんなわかってる？　クルマに付いているマーク!!

　若葉マーク（初心運転者標識）や高齢者マーク（高齢運転者標識）は、クルマに貼ってあるお馴染みのマークですが、他にも運転者が何かしらの事情を抱えていることを、周りのドライバーに気づいてほしいとクルマにマークを付けているドライバーは結構多いものです。しかし、受け取る側の私たちが「何のマーク？」と疑問符が出ているようでは、標識を出す意味が無くなってしまいます。クルマに付けるマークは、他にも覚えておきたいものが2つあるのです。

文：佐々木 亘／画像：Adobe Stock（トビラ写真＝aooo000ooo@Adobe Stock）

まずはおさらい！　見慣れたマークの意味と使い方

　クルマに貼るマークと言えば、まず若葉マーク（初心運転者標識）でしょう。普通自動車（準中型）運転免許を取得してから、1年未満の人が運転する際に、表示することが義務付けられているマークです。

　表示の義務は道路交通法第71条5で定められており、表示義務を怠った場合には普通車で4000円、大型（準中型）では6000円の反則金と、行政処分として違反点数1点が加算されます。

　若葉マークと対照的な存在が、高齢運転者マーク（高齢運転者標識）でしょう。紅葉マークとも呼ばれていたこのマークは、年齢が70歳以上で、普通自動車の運転が可能な人が表示するものです。若葉マークと違い、こちらの表示は努力義務のため、標示が無くとも罰則はありません。

蝶々にクローバー？　知らなきゃいけない大事なマークは他にも！

　次に紹介するのは、四葉のクローバーが白抜きされた、青い丸形のマークです。これは、身体障がい者マーク（身体障がい者標識）というもので、肢体不自由（手足の不自由）であることを理由に、特定の条件付き運転免許を取得している方が付けるマークとなっています。

　こちらのマークは、高齢者マークと同じく、標示は努力義務となっているため、罰則などはありません。

　また、身体障がい者マークと一緒に「車いすマーク」を付けている人も多くいますが、このマークは建築物や公共輸送機関が障がいのある方でも利用できるものとなっていることを指すもので、自家用車に表示することは、マーク本来の趣旨とは異なっているものとなります。

　車いすマークには法的な力はないため、このマークを付けているからと言って、駐車禁止や障がい者専用駐車場を優先的に使用できるといったものではありません。車いすを使用している等の理由で、優先駐車場や駐車禁止区域にクルマを停める必要がある人は、各都道府県の公安委員会が交付する、駐車禁止等除外標章を取得する必要があります。

　そして最近見かけるようになった蝶々のマーク。この意味をご存じの方は少ないかもしれません。

「蝶々（ちょうちょ）」は「聴覚（ちょうかく）」！

　これは2008年の道路交通法一部改正により、聴覚障がい者の方が運転免許を取得できるようになって生まれたマークになります。蝶＝聴覚と覚えておくといいでしょう。

　このマークは、補聴器を用いても聴力が10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない程度の聴覚障害のある方が、運転する時に表示しなければならないマークです。若葉マークと一緒で、表示義務に違反した場合には、反則金4000円と行政処分として違反点数1点が加算されます。

　一般ドライバーが聴覚障がい者標識を表示したクルマに対して、幅寄せや割り込みをすることは禁止されており、違反した場合は5万円以下の罰金または反則金6000円と違反点数1点となりますので、注意してください。

　標示を確認し、思いやりを持った運転を行うことが、クルマ同士の安全通行に大きく寄与します。クルマは様々な人が運転しているもの。他者への理解をする上で、マークに対する正しい知識を持つことが大切なのです。