小さな子供をクルマに乗せるときに欠かせない「チャイルドシート」。日本では、6歳未満の幼児に着用が義務付けられており、JAFの調査では、実に8割近くのユーザーが、6歳に到達するまではチャイルドシート等を使用していると回答するなど、多くの人が法律の規定に従って、チャイルドシート等を使用しているようです。
しかしながら、子供の安全を考えれば、6歳に到達した以降もチャイルドシート等は必要なケースがあることご存じでしょうか。チャイルドシート等を外す「本当のタイミング」について、改めて考えてみましょう。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Hiroyuki/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】6歳でチャイルドシート卒業は早い!! チャイルドシート等を外す「本当のタイミング」(8枚)画像ギャラリー6歳以上になれば「義務」はなくなるが…
子どもが小さい時から使用してきたチャイルドシート(ここでは、乳児用のベビーシート、幼児期のチャイルドシート、学童用のジュニアシートを総じて「チャイルドシート等」とします)。成長して体がしっかりしてくると、「もうそろそろチャイルドシート等に座らせなくてもいいかな」と思ってしまいますよね。
道路交通法第71条3の3では、「自動車の運転者は、幼児用補助装置(いわゆるチャイルドシート等)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。」と規定されています。この「幼児」とは、道路交通法上では「六歳未満の者をいう」とされており(同法第14条3)、つまり6歳未満の幼児はクルマに乗る際にチャイルドシートの使用が義務付けられています。言い換えれば、6歳に到達すれば法律上はチャイルドシート等の着用義務はありません。
法律の義務=安全ではない
しかしながら、これはあくまで法律上の区切り。年齢が6歳に到達していても、身体の大きさによっては、大人と同じクルマのシートベルトでは、十分といえないのです。
現在のクルマに装備されているシートベルトは、肩部はショルダーベルト、腰部にはラップベルトを装着することで、左右のどちらかの肩と左右の腰、合計3点を拘束し、衝撃が加わった際に、座席から投げ出されて負傷することを防ぐようにつくられています。
ホンダによると、人体のなかでも頭部や胸部、腹部は衝撃に弱いため、クルマのシートベルトは、骨格の強い肩と腰で支える構造となっているそうです。特に骨盤には、シートベルトをかけるのにちょうどいい「くぼみ」があるそうで、そこにベルトを通すことで衝撃を分散し、体への負担を最小限に抑えることができるといいます。
しかしながら、身長が足りない子供の場合、ショルダーベルトは首に、ラップベルトがお腹にかかってしまいます。衝突の衝撃がこれらの耐性の弱い部位を直撃すると、万が一の事故の際、大きなダメージを負ってしまうことに。
JAFが6歳児のダミー人形を使って実験したところでも、走行速度55km/hで正面衝突をした際、チャイルドシートを使用しないでシートベルトを着用していた後席(2列目)のダミー人形は、衝突の衝撃で体が前に押し出されたことで、肩ベルトは首に、腰ベルトは腹部に激しく食い込んでいたとのこと。一方、チャイルドシートを使用していた場合は、体をしっかりと支え、衝撃を分散できたとのことです。











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