安いけど…燃費は? 乗り心地は?? 小さいサイズのタイヤに代えるとクルマはどうなる

インチアップのメリット、デメリット

スポーティなノートNISMOには、195/55R16タイヤが標準装備。NISMO Sは205/45R17(NISMOにオプション設定)が標準装備
スポーティなノートNISMOには、195/55R16タイヤが標準装備。NISMO Sは205/45R17(NISMOにオプション設定)が標準装備

 ここで、インチアップのメリット、デメリットについても話をしておこうと思う。タイヤホイールを交換しようとするなら、純正タイヤよりインチアップしたいと思うユーザーは多い。少々飽きがきたクルマも新しいホイールを履くことで新鮮味が取り戻せるものだ。

 ドライバーの好みもあるが、やはりクルマによってインチアップしても限度はある。ここでは適正なインチアップについて考えてみよう。

 前述の通り日産ノートe-POWERの標準タイヤサイズは185/65R15(ノートのガソリン車は185/70R14)だが、外径が少々大きくなるが、物理的には215/35R19まで履くことは可能だ。

 しかしタイヤハイトは極端に薄くなるため、3年程度で乗り換えてしまうような飽きっぽいユーザーならともかく、長く乗るならクルマのダメージを考えると、ホイール径は17インチまでにしておいたほうがいい。

 そうなると225/40R17を選ぶユーザーもいるだろうが、205/45R17を選んだほうがバネ下が軽く、タイヤ代も安くなる。扁平率が高いと見た目がカッコ悪くなると思う人もいるが、タイヤ幅が細いので実際のタイヤハイトはほとんど変わらない。

 タイヤが重く大きいとドタドタした動きになって、乗り心地も悪化する場合もあるのだ。接地面積がやや減るので、グリップ力を高めたいなら225だが、そこは銘柄でもカバーできる部分だ。

 ホイールの種類は限られるが、195/55R16や205/50R16のほうがボディやサスペンションには優しいので、乗り心地や軽快感も重視したいなら、ホイールの選択肢は限られる(16インチは種類が少ない)が1インチだけのアップも考えてみることをお勧めする。

 また、タイヤの外径は純正サイズとほぼ同等にするのがセオリー。これは外径が変わってしまうと変速機やホイールの回転から検出している車速信号が実際の車速とズレてしまい、スピードメーターや燃費計の数値に狂いが生じてしまうからだ。

 さらにADAS(先進運転支援システム)を装備しているイマドキのクルマは、車速信号が非常に大事なパラメータなので、衝突被害軽減ブレーキの確実な作動などを考えれば、無闇に外径を変更すべきではない。

 もっと言えば、同じタイヤサイズでも銘柄によって実際には外径やタイヤ幅が微妙に異なるので、そのあたりも注意してタイヤ選びをすることだ。

前後でサイズを変えるのもタブーだが例外も

 インチアップやインチダウンを前後同時に行なう場合、外径を維持するのはスピードメーターの精度を維持するためと、インナーフェンダーなどとの干渉を防ぐため、というのは前述した通りだ。では前後でタイヤサイズを変えたい場合はどうなるか。これは基本的にはやってはいけない行為だ。

 タイヤの外径を変更すると、同じ車速で走ってもタイヤの回転速度が変わってしまう。

 これはスピードメーターの表示のために計測しているだけではなく、ABSやESC(横滑り防止装置)などがクルマの走行状態を把握するために各車輪の回転速度をモニタリングし続けているなど、様々な制御の基本情報として利用されている。

 誤作動や警告灯点灯などのトラブルを避けるためにも、タイヤ外径は純正比で2%程度、つまり前後の差も同様に2%以内にするべきなのだ。ちなみに同じタイヤサイズでも銘柄によって外径や幅が異なるが、まずこの範囲内に収まるので問題が起きることはない。

 ただし、前後でタイヤサイズを変える方法がない訳ではない。タイヤ幅を変えてパワフルなルックスを手に入れたいカスタムが目的なら、外径は維持したまま、前後でタイヤ幅を変えることは不可能ではない。

 例えば205/55R16が標準タイヤであれば、リアを225/50R16にしてホイールのリム幅も1インチワイドにすれば、リアビューでパワフルな印象を強調することができる。

 外径はほぼ同じままだが、タイヤの接地面形状が変わるので、前後のグリップバランスに変化が生じることもある。また太くしたリアタイヤは、当然重くなるのでサスペンションの負担は増えるため、乗り味にも変化が起こる。

次ページは : 前後異なるタイヤが装着したタイヤの場合は?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!