アウディ、BMW、テスラ…速そうに見えなくて実は速い狼なクルマ 5選

 フェラーリやポルシェのような派手さがなく、地味な外観なのに、異様に速いクルマが世の中には存在する。

 大排気量のエンジンを、大人しく見えるボディの中に隠し持っている「ヒツジの皮をかぶった狼」に心奪われる方は、クルマ好き諸氏の中には多いはず。

 現在、国内で販売されている中にも、中身は只ならぬパフォーマンスを持ったクルマがある。

 本記事では、日本国内向けに新車発売されている4枚ドアのクルマに絞り「ヒツジの皮をかぶった狼」なクルマをご紹介していく。

文:吉川賢一、写真:レクサス、アウディ、メルセデスベンツ、BMW、テスラ

【画像ギャラリー】「ヒツジの皮をかぶった狼」なクルマたち


レクサス GS-F

レクサス GS-F

 見た目は、お金持ちの紳士が乗るような高級セダンだが、その中身は別物だ。477psの5リッターV8エンジンを搭載し、ひとたびアクセルを踏み込めば、クルマを包んでいた静寂感は、太いトルク感へと変化する

 シフトレバーをMポジションに入れると、8速MTのように機能する点も面白い。

 2速から8速まで全域ロックアップを行うため、変速レスポンスが高まり、エンジンとトランスミッションがメカニカルに直結されるダイレクト感を味わえる。

 しかもこのパフォーマンスに対して後輪駆動のみ、という設定にも遊び心が感じられる。レクサスが特にこだわったのが、サウンドチューニングだ。

 低速域から高速域へと変化していく音程をチューニングしたことで、アクセルを踏み込むほどに音程が高まっていく昂揚感を味わえる。

 今後、大排気量エンジンは燃費規制で絶滅していくだろう。こうしたV8 NAサウンドが聞けるのも、あと数年かもしれない。

レクサス GS-F 主要諸元

  • エンジン:V型8気筒 自然吸気エンジン
  • 排気量:4968cc
  • エンジン最高出力:351kW(477ps)/7100rpm
  • 最大トルク:530Nm(54.0kgm)/4800-5600rpm
  • 駆動方式:後輪駆動
  • トランスミッション:8-Speed SPDS (電子制御8速オートマチック)
  • タイヤサイズ:255/35 R19(前)・275/35/ R19(後)
  • 価格:1144万円~

アウディ RS 5 スポーツバック

アウディ RS 5 スポーツバック

 アウディといえば、スタイリッシュで都会的なデザインを持つイメージであろう。

 しかしこの「RSシリーズ」は、アウディがレースで培った技術から生まれたハイパフォーマンスモデルであり、得意のクアトロ技術と、圧倒的なパフォーマンスのエンジンをもつクルマたちだ。

 エンジンは2.9リッターのV6ツインターボ。わずか3.9秒で100km/hに達する加速力と、280km/hの最高速を達成。

 圧倒的なトルクと、どこまでも伸びるようなパンチ力のある加速フィールで、暴力的ともいえる動力性能を実現しているクルマだ。

 アウディならではの質の高いインテリアも魅力的。先進的で整ったアウディのインテリアを見ながら、涼しい顔をしてさっそうと街を駆け抜けるのも、実に気持ちが良い。

アウディ RS 5 スポーツバック 主要諸元

  • エンジン:V型6気筒ツインターボ
  • 排気量:2893cc
  • エンジン最高出力:331kW(450ps)/5700-6700rpm
  • 最大トルク:600Nm(61.1kgm)/1900-5000rpm
  • トランスミッション:8速 ティプトロニック
  • タイヤサイズ:前後 275/30 ZR20
  • 価格:1302万円~

メルセデスAMG C63 S

メルセデス AMG C63 S

 AMG C63の中でも、高性能版である「S」シリーズ。ベースである、コンパクトなCクラスのボディに、4.0L級のツインターボエンジンを押し込み、1790kgという比較的軽量なボディを、後輪駆動で走らせる、という暴挙に出ている。

 エンジンサウンドも迫力満点で、3つの連続可変フラップを使い、落ち着いたサウンドからスポーティなサウンド、さらにはエモーショナルなサウンドにまで愉しめるAMGパフォーマンスエグゾーストシステムを装備している。

 他にも、走行状況に応じて瞬時にマウントの硬さを調整するAMGダイナミックエンジンマウントや、電子制御AMGリミテッドスリップデフ搭載など、走りに関する技術が満載だ。

 通常、500psを超えるパフォーマンスならば、トラクションや安全性を高める目的で4WD化するのが妥当だが、あえて後輪駆動としたのは、AMGの徹底したスタビリティ(安定性)に対する自信なのだろう。

 クリーンで、ジェントルで、プレミアムなイメージの強いメルセデスの本気がうかがえる、一台だ。

メルセデス AMG C63 S 主要諸元

  • エンジン:V型8気筒ツインターボ
  • 排気量:3982cc
  • エンジン最高出力:375kW(510ps)/5500-6250rpm
  • 最大トルク:700Nm(71.4kgfm)/2000-4500rpm
  • 駆動方式:後輪駆動
  • トランスミッション:9速AMGスピードシフトMCT
  • タイヤサイズ:245/35R19(前)・265/35R19(後)
  • 価格:1447万円~

BMW M5 コンペディション

BMW M5 コンペディション

 メルセデスのAMGと同じく、普通のセダンではあり得ない程のパワフルなエンジンをもち、各種デバイスで武装されたパフォーマンスセダンの代名詞が、このBMWのMシリーズだ。

 このM5コンペティションは、625psを受け止めるため、駆動方式はAWD。「M xDrive」と呼ばれる4輪駆動力制御は、前後アクスルのトルク配分を可変配分する。

 また「アクティブMディファレンシャル」は、トラクションを高めてくれるため、荒れた路面でのハイスピードコーナリングや、コーナー出口での加速を助けてくれる。

 0-100 km/h加速は3.3秒で、最高速度は305 km/h。ピンとこないかもしれないが、この加速スピードは、もはや恐怖だ。

BMW M5 コンペディション 主要諸元

  • エンジン:V型8気筒ツインターボ
  • 排気量:4394cc
  • エンジン最高出力:460kW(625ps)/6000rpm
  • 最大トルク:750Nm(76.5kgfm)/1800-5860rpm
  • トランスミッション:8速Mステップトロニック
  • タイヤサイズ:275/35ZR20(前)・285/35ZR20(後)
  • 価格:1867万円~

テスラ モデルSパフォーマンス

テスラ モデルSパフォーマンス

 「0-100 km/h加速2.6秒」という驚異の加速力を持つモデルSパフォーマンス。見た目はいたって普通のセダンのモデルS。

 その普通のセダンが、誰しも想像つかない程の加速をする。筆者のように、ジェットコースターが苦痛でしかない方にとっては、モデルSの加速は、苦痛に感じられてしまうほどだ。

 とはいえモデルSは、ラージセダンEVとして、アクセルの踏み込みをしなければ、普通に運転することができる。航続距離500㎞と十分な距離も走れるし、静かかつ滑らかで、オートパイロットで高速道路も安定して走れる。

 大排気量ハイパフォーマンスで大量にガソリンをまき散らしながら、そこのけと走るクルマとは、モデルSは一線を画している。

テスラ モデルSパフォーマンス 主要諸元

  • モーター最高出力:451kW (611ps)
  • 最大トルク:931Nm(95kgfm)
  • トランスミッション:デュアルモーター4WD
  • 航続距離:593 km(WLTP)
  • タイヤサイズ:245/35ZR21(前後)
  • 価格:1281万円~

まとめ

 地球温暖化防止への対策が年々進んでいくなかにおいて、クルマが生き残るには、ゼロエミッションに進まないとならない。

 おそらく10年後には、本記事で取り上げたクルマのうち、モデルSを除いては、新車販売されていないだろう。

 エンジンサウンドが聞こえなくなるのは寂しいものだが、あのポルシェでさえ、100%電気自動車の「タイカン」を出すなど、世界中のメーカーが電動に向けて動いている。

 エンジンだけがクルマの魅力じゃないことに、我々クルマ好きも、早く追いつくべきなのかもしれない。

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