これぞマツダ流!! EZ-60のアクセル制御に唸った
また、速度の作りやすさにもマツダらしさはしっかりあった。EZ-60は、足首をほんの少し動かすだけで、車速をスッと合わせ込める感覚がある。1km/h刻みで整えていけそうなほど繊細なのに、踏み増したときはちゃんと加速してくれるあたりにも感動を覚えるほどだ。
もともとBEVは、アクセルによる速度の調節がしやすいクルマではある。モーターは踏み始めから駆動力が立ち上がりやすく、エンジン車よりも「踏力に対する反応」を素直に感じられるものだ。
ただ、EZ-60は、マツダがガソリン車で磨いてきたペダルで車速を丁寧に作り込める感覚が、EVでもしっかり生きていた。もちろん、ガソリン車での蓄積だけでなく、EV方面でもマツダがこれまで培ってきた制御思想がEZ-60にも通じているように思われる。
たとえば、MX-30 EVで公表している「モーターペダル」の考え方からそれが窺える。マツダは、人間中心の思想に基づき、ドライバーが意のままに車速や加減速をコントロールできるようペダル、パワーユニット、音まで含めた統合制御を開発した。その狙いは、ドライバーが「まるで筋肉のように」自在に車速を調整できることだった。
こうした積み重ねがあるからこそ、EVらしいレスポンスのよさにとどまらない、狙った速さを細かく合わせるクルマが出来上がったのだと考えられる。
【画像ギャラリー】国内未導入モデルの内装まで大接近! EZ-60の大型モニターは必見!? CX-90は3列シートまで撮ったぞ!(31枚)画像ギャラリー次世代SUVの先進装備がかなり本気!!
もちろん先進技術も見逃せない。実はこのクルマ、ドアミラーがない。ドアミラーの代わりにカメラを置き、その映像を車内のモニターで確認するというカタチだ。EZ-60はこのあたりもかなり先進的。
視線が最初は少し戸惑うものの、使ってみると意外に理にかなっている。夜や雨でも後ろの様子をつかみやすく、視線の送り先が車内側で明確になるため、慣れてくると確認動作は意外と整理しやすい。単なる未来感の演出ではなく、ちゃんと使う意味のある装備なのだと実感。
EZ-60は、長安汽車の電動化技術やスマート技術を土台にしながら、そこへマツダが得意とするデザインや人馬一体の走りを実現する作り込みが重なった1台といえるだろう。長安汽車の先進性にマツダの「走らせたときの気持ちよさ」が加わることで、クルマとしての完成度を引き上げているのがポイントだ。
このクルマが日本未導入なのは、なんとも口惜しい思いがする。
CX-90が覆した、大型SUVへの先入観
そしてもうひとつ印象に残ったのが、国内生産でありながら海外向けに販売している車種の完成度がきわめて高いこと。なかでもCX-90は、その大きさとスペックから想像していた印象を塗り替えてきた。
CX-90は、48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた3.3L直列6気筒ガソリンターボを積む大型SUVで、340hp級のパワーを持つ。それでも走らせた印象は、単なる大排気量ターボの豪快さだけでは片づけられないのものだった。
もともとマツダ車に備わっていたアクセルで速度を整えやすい感覚は、この余裕あるパワーによってさらに磨かれている。狙った速度域へすばやく乗せられる分、その先の速度変化も見通しやすく、アクセルを戻して整える操作も早めに入れやすい。結果として、マツダらしい速度調整のしやすさが、より高いレベルで味わえるのだ。
そして驚かされるのが、その大きさを感じさせないほど素直なハンドリングだ。コース上には黄色い小さなコーンが置かれ、その間を縫うように走らなければならないセクションもあった。油断するとコーンに触れてしまうが、CX-90はそんな場所でも大柄なSUVとは思えないほどラインをきっちりトレースしていける。
正直にいえば、試乗前はこの大きな車体とパワーに少なからず身構えていた。日本では持て余すのではないか。そんな先入観があったのも事実だ。
もちろん今回は、公道を意識したレイアウトとはいえ、美祢試験場という余裕のある環境で走らせている点は差し引いて考える必要がある。それでもCX-90は、サイズやスペックの大きさをことさらに意識させることもなく、ドライバーがきちんと扱い切れるよう練り上げられていたのだ。
なにより印象的だったのは、EZ-60もCX-90も左ハンドルだったこと。ほかにもCX-50に試乗したが、いずれも左ハンドルであることを気にしなくてすむほど自然に乗ることができた。その違和感のなさには、いい意味で衝撃を受けることとなった。
【画像ギャラリー】国内未導入モデルの内装まで大接近! EZ-60の大型モニターは必見!? CX-90は3列シートまで撮ったぞ!(31枚)画像ギャラリー

































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