クルマにかかる税負担は米国の22.4倍!?  クルマ好きを襲う「7重課税」の真実

ガソリン税の内訳とは?

クルマにかかる税負担は米国の22.4倍!?  クルマ好きを襲う「7重課税」の真実
イラン戦争をきっかけにエネルギー価格が急上昇。政府はガソリン価格の急騰を抑えるため、補助金による緊急措置を実施しているが……。

 ヤリスZ(ハイブリッド車・1.5L・2WD)のオーナーがさらに支払うことになる税金はガソリン税だ。昨年末に高市政権による「暫定税率」の廃止が実現したことで、1リッター当たり25.1円が安くなったが、ガソリン関連の税目はまだ主に4つある。

 揮発油税と地方揮発油税からなる「ガソリン税(本則税率)」、石油石炭税と温暖化対策税で構成される「石油石炭税」「温暖化対策税」、そしてこれらにかかる10%の「消費税」だ。

 例えば1リッターのガソリンを購入した際の支払額が160円だったとしよう。その場合、我々は1リッター113.95円のガソリンに対し、計46.05円の税金を納めている。つまり、ガソリン代の約29%は税金だ。その内訳は以下のようになる。

ガソリン1リッター160円の内訳
●ガソリン本体価格/113.95円
●ガソリン税(本則税率)/28.7円
(揮発油税24.3円+地方揮発油税4.4円)
●石油石炭税/2.8円
(石油石炭税2.04円+温暖化対策税0.76円)
●消費税 (10%)/14.55円
※税合計/46.05円

 では、ヤリスZのオーナーは年間いくらのガソリン関連税を支払うことになるか?

 ソニー損保のアンケート調査(2024年)では、自家用車の年間平均走行距離は6972kmとされ、約7000kmとなる。ヤリス(ハイブリッド車・1.5L・2WD)のWLTCモードのカタログ燃費はリッター35.4kmなので、年間のガソリン消費量は198リッターとなる。すると、年間のガソリン代は3万1680円。そのうち約29%の9118円は税金となる。

 ちなみに、ガソリン税(本則税率)の28.7円と、石油石炭税の2.8円に対し、さらに消費税10%がかけられているのは二重課税との批判が根強い。ただし現行法上、この事案は違法とはみなされていない。

なぜ日本の税金は高いのか?

クルマにかかる税負担は米国の22.4倍!?  クルマ好きを襲う「7重課税」の真実
多重的かつ複雑な自動車関連税制は、各省庁の利権争いが元凶といえる

 エコカー減税の導入や、環境性能割の停止、暫定税率の廃止などによって、かつてよりは自動車に関連する税金は軽減されつつある。

 しかし、「車両取得時の消費税」「自動車税(種別割)」「自動車重量税」「ガソリン税(本則)」「石油石炭税」「温暖化対策税」「ガソリンの消費税」という、7つの税金が課せられている日本の税制度はいまだ過剰な状態にあり、この状態が続く理由として複数の問題点が指摘されている。

 そのひとつが省庁間における聖域争いだ。自動車重量税は財務省(国税)、自動車税は総務省(地方税)、ガソリン税の一部は国土交通省(旧特定財源)といった具合に、複数の省庁がそれぞれの財布を抱えている。

 それに対して各省庁が、「一度作った税金は手放さない」姿勢を堅持するため、政府や議会において税制の簡素化や一本化などの議論や提案が出ても、各省庁から激しい抵抗が起こる傾向にある。

 そのため、各省庁は複雑な仕組みを構築し、国民に対して制度の全容が見えにくくするなど、あらゆる手段を講じて税制改革を阻止し、抜本的な改革を阻もうとする。

 税目を変えてトータルの税率を変えない「看板の掛け替え」や、「社会保障費の増大」「インフラ維持」「代替財源」などの文言は、こうした官僚による画策、または抵抗の表れといえる。

 「取れるところから取る」という受益者負担の拡大解釈も問題視され、広く批判されている。

 政府・官僚側には「クルマを持つ余裕がある層からは、インフラ利用料(受益者負担)として、多めに税を徴収してもよい」という理屈が根強くあり、同時に日本の場合は「持っているだけで徴収される保有税」の比重が極端に高い。これが前述した欧米との巨大な差を生んでいるといえるだろう。

【画像ギャラリー】クルマ好きに重すぎる現実 “7重課税”の正体(6枚)画像ギャラリー

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